エグゼクティブサマリー
ペプシコはグローバル変革の取り組みの一環として、SAP S/4HANAを基盤とする単一の標準ビジネステンプレートのもとに業務を統合しました。ペプシコ・グローバルテンプレート(PGT)プログラムは世界各国の市場を対象に、中核となる業務プロセス、データ、テクノロジーを統一し、グローバルで一貫した事業運営の基盤を構築する取り組みです。
プログラム全体としては、同社史上最大級の変革イニシアチブの一つでした。その成否は、システム導入だけでなく、大規模なユーザー定着の持続、業務への支障の先回りした抑制、そして測定可能なビジネス価値の創出にかかっていました。その成否は、システム導入だけでなく、大規模なユーザー定着の持続、業務への支障の先回りした抑制、そして測定可能なビジネス価値の創出にかかっていました。これらの成果を支えるため、PGTチームはWalkMe for S/4HANAを導入しました。重要なワークフローでユーザーをガイドし、影響の大きい判断を自動化するとともに、ユーザーがどこでつまずき、どこで標準プロセスから逸脱しているかのインサイトを得ることが狙いです。
本稼働を支える仕組みとして始まったWalkMeは、すぐに業務の流れに組み込まれ、日々のユーザー支援を担うレイヤーへと進化しました。WalkMeは、サポート問い合わせを抑止することでハイパーケアへの依存を軽減しました。また、トラックの種類や支払方法といった主要項目を自動選択することでユーザーのミスを最小限に抑え、リアルタイムのバリデーションルールによって正確なデータ入力を徹底しました。こうした施策はユーザーエクスペリエンスを向上させただけでなく、各市場におけるデータの正確性とコンプライアンスの向上にもつながりました。
PGTチームはWalkMe Insightsを活用し、緊急作業指図、計画手配、受注処理といった特に重要な場面に的を絞ることで、ユーザー1人あたりの作業時間を定量的に削減し、中核プロセス全体で手戻りを減らしました。これらの改善を合わせると、タスク完了の迅速化、エラーの減少、サポートへのエスカレーションの削減により、従業員の作業時間にして推定11万7,000時間の削減に貢献しました。
現在、WalkMeはPGTのデジタルアダプション戦略の中核を担っています。データに基づくインサイトと対象を絞ったガイダンスを組み合わせることで、効果的な規模拡大を可能にし、従業員が自ら業務を進められるよう支援し、事業全体の業務遂行力を強化しています。
グローバルでの定着、業務遂行、プロセス改善を支えるスケーラブルなモデルの構築
ペプシコはグローバルテンプレートプログラムを通じて、各市場の事業運営を共通の基盤にそろえることを目指しました。南アフリカでの展開は、それまでのフェーズで得た教訓を生かし、ハイパーケア期間中の業務遂行を強化するとともに、今後の展開にも横展開できる再現性の高い定着化モデルを構築する機会となりました。
チームが目指したのは、約3,000人の従業員をトレーニング期間中だけでなく、本稼働後も支援することでした。本稼働後は、実際の業務のプレッシャーの中で、ユーザーが自力で正確にトランザクションを完了しなければならないからです。主な目標は、静的なマニュアル類への依存を減らすこと、スーパーユーザーの負担を軽くすること、そして必要なその場でシステム上から直接課題を解決し、ハイパーケア期間中の問い合わせを最小限に抑えることでした。
PGTチームはWalkMe for S/4HANAを導入することで、画一的なトレーニングから、役割や状況に応じたガイダンスをリアルタイムで提供する形へと移行しました。WalkMeの分析機能によって、プロセスがどのように実行されているか、ユーザーがどこで迷っているか、どこでエラーや入力漏れが発生しているかが可視化されました。こうしたインサイトをもとに、チームは作業のばらつきを抑え、不完全ログの解消といった重要なステップの遵守率を高め、南アフリカにおける業務遂行の質を体系的に向上させました。さらに、その知見は今後のS/4HANA移行に向けた戦略策定にも生かされています。
対象を絞ったガイダンス、自動化、実際の利用状況の可視化で、大規模な業務遂行の質を向上
地域をまたいで一貫した業務遂行を実現するため、PGTチームはユーザー中心の展開戦略にデジタルアダプションを組み込みました。本稼働後は、WalkMeの分析機能を使って主要なワークフロー全体のユーザー行動をモニタリングし、エラーや手戻り、サポート問い合わせの原因となっているつまずきポイントを特定しました。この可視化により、チームは対象を絞ったガイダンスや自動化、バリデーションルールを使って迅速に対処できるようになりました。多くの場合、数時間以内に対応しています。
初期展開では、業務にすぐ効果が表れるかどうかを基準に、ソリューションの優先順位を決めました。「WalkMeで展開したソリューションは本稼働と同時に効果を発揮し、ハイパーケア期間中の大きな推進力になりました」と、グローバルトレーニングリードのRajeev Mohan氏は語ります。その結果、ユーザーが問い合わせをしなくても正しい判断ができるようガイドされたことで、ハイパーケア期間中のサポート問い合わせは減少しました。
事業が定常運用へ移行した後も、WalkMeは正確性と効率の向上に重要な役割を果たし続けました。例えば、店舗直送のワークフローには、取引処理に不整合を生じさせる支払方法の選択肢が含まれていました。チームはWalkMeでこの誤った選択肢を非表示にし、ユーザーを正しい選択へ誘導することで、ミスの発生源そのものをなくしました。「この問題はわずか数時間で解決しました。実際の業務課題をこれほど迅速に解決できたことに、周囲も驚いていました」とMohan氏は話します。
別の事例では、配送時の輸送手段の選択に複数のステップが必要で、ばらつきが生じやすい状況でした。そこでWalkMeの自動化機能を使い、配送数量に応じて適切なトラックの種類を自動選択するようにしました。これによりユーザーが判断する必要がなくなり、一貫した業務遂行が可能になりました。エラーが減っただけでなく、ワークフローの効率化によって継続的な時間削減にもつながっています。
リアルタイムのバリデーションルールは、重要なプロセス全体で正確な入力を徹底し、データの正確性と後工程のレポート品質を向上させました。さらにWalkMeは、システム上は必須ではないものの業務上は欠かせないステップの遵守も支援しました。受注管理における不完全ログの確実な解消はその一例です。業務の流れの中でこうした対応を促すことで、完了率が大幅に向上し、事後フォローの手間も減りました。
セグメンテーション機能により、役割や地域に応じてガイダンスを出し分け、ユーザーには自分に関係のある情報だけが表示されるようにしました。これにより認知負荷が軽減されて混乱が最小限に抑えられ、タスク全体の完了時間も改善しました。特に、緊急作業指図や計画手配のようなプレッシャーの大きい業務で効果が表れています。
WalkMeの分析機能は、継続的な改善の土台にもなりました。受注伝票の登録などのプロセスにおけるユーザーの操作経路を比較することで、チームはガイダンスを最適化できる箇所、ステップを簡素化できる箇所、そして自動化の効果が最も大きい箇所を特定しました。本稼働支援ツールとして始まったWalkMeは、ペプシコのグローバルプラットフォーム全体で定着、正確性、効率を支える、スケーラブルな業務遂行レイヤーへと発展しました。
業務遂行力の強化と足並みの統一、そして継続的な改善を支える基盤へ
ペプシコのデジタルアダプション戦略は、事業変革の重要な推進力となりました。各チームは、グローバルで標準化されたプロセスを守りながら、より効率的に業務を進められるようになっています。ユーザーのミスの削減、データの正確性の向上、タスク完了の迅速化を通じて、PGTチームは各市場における業務の一貫性と業務遂行の質を高めてきました。
迅速に対処できるようになったことで、サポートチームや開発チームへの依頼が減り、ハイパーケア期間中の問い合わせ件数も減少し、価値実現までの期間が短縮されました。「事業部門から具体的な問題が持ち込まれた際にも、暫定対応から恒久的な解決策まで、迅速にソリューションを提供できています。サポート体制がより機動的になりました。これは日々の業務に大きな違いをもたらしています」と、チェンジマネジメント担当ディレクターのDympna Connolly氏は語ります。
80以上の分析ファネルを整備したことで、チームは南アフリカにおけるS/4HANAの利用状況を、かつてないレベルで可視化できるようになりました。WalkMe Flow Analyticsと行動データのインサイトにより、PGTチームはパフォーマンスが低下する箇所、プロセスの遵守が弱まる箇所、そしてガイダンスや自動化を追加することでさらなる効果が見込める箇所を特定できます。こうした精度の高い把握によって再トレーニングの効果も高まり、支援を最も必要とするユーザーとステップに的を絞ってサポートできるようになりました。
現在、PGTチームの知見はユーザー支援の枠を超えて意思決定に生かされ、標準化、効率化、長期的な価値創出といった、より広範な目標に貢献しています。グローバルテンプレートの適用範囲が広がる中、WalkMeはペプシコの大規模な事業運営のあり方を形づくる一翼を担っています。変化を支えるだけでなく、その変化を根付かせ続けているのです。
ペプシコについて
ペプシコの製品は、世界200以上の国と地域で、1日10億回以上消費者に楽しまれています。2025年の純売上高は940億ドル近くにのぼります。その成長を牽引しているのは、Lay's、Doritos、Cheetos、Gatorade、Pepsi-Cola、Mountain Dew、Quaker、SodaStreamなどを擁する、飲料とコンビニエンスフードの相互補完的なポートフォリオです。ペプシコの製品ポートフォリオには多彩な食品と飲料がそろい、推定年間小売売上高がそれぞれ10億ドルを超える象徴的なブランドも数多く含まれています。
ペプシコが掲げるビジョンは、pep+(PepsiCo Positive)で勝ち抜くことにより、飲料とコンビニエンスフードのグローバルリーダーになることです。pep+は、サステナビリティを事業戦略の中心に据えたエンドツーエンドの戦略的変革です。成長を促進するとともに、ペプシコと事業を展開する地域社会のために、より強く、よりレジリエントな未来を築くことを目指しています。詳細は www.pepsico.com をご覧ください。X(旧Twitter)、Instagram、Facebook、LinkedInでも@PepsiCoとして情報を発信しています。
