タイムシート入力にかかる時間を85%削減
年次評価期間中の従業員からのサポート問い合わせを41%削減
給与関連の差し戻しを15%削減

エグゼクティブサマリー

クーパンは米国のテクノロジー企業です。複数の国、言語、法人にまたがるグローバルな従業員を支えるため、大規模なデジタルトランスフォーメーションに取り組みました。事業の拡大に伴いHRプロセスは複雑化し、従業員は勤怠管理から給与データの確認、パフォーマンス管理に至るまで、あらゆる手続きをHRシステム上で行う必要がありました。効率、データの正確性、ユーザーエクスペリエンスを高めるため、クーパンはHRシステムにWalkMeを導入しました。すべての従業員が重要なHRタスクを自力で、一貫した方法で、迷わず完了できるようにすることが狙いです。

WalkMeの活用により、クーパンは業務の流れの中でリアルタイムにガイダンスを提供し、組織全体で主要なHRタスクを自動化できるようになりました。かつては多くの手作業と頻繁なサポートを必要としていたプロセスが、より迅速で一貫したものになりました。その結果、マネージャーは最も重要な業務、すなわち戦略的な業務と従業員との有意義なコミュニケーションに時間を使えるようになりました。

デジタルアダプション戦略の結果、クーパンはHR業務全体で定量的な成果を上げています。タイムシート入力にかかる時間は85%短縮、年次評価サイクル中の従業員からのサポート問い合わせは41%減少、給与関連の差し戻しは15%減少しました。今後、HRISチームはデジタルアダプションプログラムの拡大を続けるとともに、手作業による管理業務をさらに削減するため、AIの活用を積極的に検討していく予定です。

背景

多様な従業員を支えるために求められた、よりスマートで柔軟な従業員支援

クーパンのHRシステムの利用範囲が韓国、台湾、日本へと広がるにつれ、そのシステムを使う従業員を支援する難しさも増していきました。各国のユーザーは、それぞれ異なる現地のポリシー要件、コンプライアンス上の手順、地域固有のプロセスに対応しなければなりません。そのため、画一的な従業員支援では、あらゆる国、言語、役割の従業員に対応しきれなくなっていました。ある地域でうまくいった方法が別の地域には当てはまらないことも多く、単一のアプローチで従業員のニーズすべてに応えることはできませんでした。

従業員は所在地によって異なる地域ルールに直面するため、社内のHRチームには同じような質問が繰り返し寄せられ、年次評価サイクルのような繁忙期にはサポート問い合わせの件数が大幅に増加していました。従来のトレーニング資料や静的なマニュアル類では、継続的なシステム更新に追いつくことも、多言語のユーザー層に効果的に対応することも難しく、従業員は最も必要なときに明確な答えを得られない状況でした。

さらに、入力中にデータを検証する手段がなかったため、形式の誤りは送信後まで見過ごされていました。勤怠記録や給与設定といった重要なワークフローでは、ユーザーが誤った形式でデータを入力してしまうことがあり、そのたびに手作業での事後修正が必要でした。これがサポート問い合わせの増加を招き、社内チームをより価値の高い戦略的プロジェクトから遠ざけていました。

クーパンのHRISチームは、業務の流れの中で、まさに必要なその瞬間にユーザーを直接支援できる可能性に着目しました。問題に事後対応し続けるのではなく、各ユーザーの役割、地域、言語に応じたアプリ内ガイダンスを提供し、データの入力エラーを送信前にリアルタイムで知らせたいと考えたのです。

ソリューション

HRシステムに直接組み込んだ、リアルタイムのガイダンス、自動化、バリデーション

クーパンのHRISチームは、体系的かつ戦略的にデジタルアダプションプログラムを構築しています。従業員とHR業務の双方に最も大きな影響を与えるワークフローを優先している点が特徴です。その取り組みは3つの柱で構成されています。必要な瞬間に従業員を支えるインテリジェントなガイダンス、繰り返し作業をなくす自動化、そして後工程での手戻りが生じる前にエラーを捕捉するバリデーションガードレールです。

組織全体の従業員の勤怠入力を簡素化するため、チームはWalkMeを使って独自の自動化を構築しました。以前は、従業員が繰り返しの多い手順で勤務時間を手入力しており、提出率にばらつきが生じていました。チームはWalkMe Analyticsを活用してユーザーが不要な手間をかけている箇所を特定し、体験を一変させる自動化を構築しました。1回選択するだけでタイムシートの各項目が自動入力され、複数のステップを要していた手作業が数秒で終わるようになりました。クーパンのグループリーダーであるHyung Gi Kim氏は、当時をこう振り返ります。「WalkMeが動くのを初めて見たとき、これは単なるガイダンスではないと気付きました。実際に、生産性を目に見えて高めてくれていたのです。」

チームは同様の考え方で、給与データの整合性向上にも取り組んでいます。給与設定で銀行口座情報を入力する際、従業員が形式要件を満たさない口座情報を送信してしまうことがあり、差し戻しやHR業務側の追加作業が発生します。クーパンは、こうした不備を送信後に見つけるのではなく、従業員の入力と同時に口座番号や名義の形式をチェックするリアルタイムのバリデーションガードレールを導入し、送信前に修正すべき点を知らせるようにしています。入力したその場で明確なフィードバックが返ってくるため、後工程に影響が及ぶ前にエラーを減らせます。

さらにプログラムを補完しているのが、大規模なセグメンテーションとパーソナライズです。クーパンはポリシー環境や言語が異なる複数の国で事業を展開しているため、チームは役割、地域、法人ごとのガイダンスを、各従業員が業務で使う言語で届けるターゲティングの仕組みを構築しました。現在、ガイダンスは韓国語、英語、日本語に完全対応しており、台湾向けの繁体字中国語も開発を進めています。クーパンのHRISシニアマネージャーであるEmma Guan氏は次のように説明します。「事業が台湾と日本に拡大した際、WalkMeのおかげで適切な言語でガイダンスを届けるのがずっと簡単になりました。大切なのは、従業員がどこにいても、常にシームレスで一貫したシステムを体験できるようにすることです。」こうした連携は、新たな国への展開を進める際のチームの基本方針となっており、従業員には初日から一貫した直感的な体験を提供しています。

チームが同じく重視しているのが、すべてのデジタルアダプションソリューションを、HRシステムそのものの自然な延長として感じられるようにすることです。チームはHRシステムのルック&フィールに合わせたデザインとソリューションの基準を定め、システム内でガイダンスをいつ、どのように表示するかについて明確な原則を設けています。その結果、従業員は違和感のないガイダンスに接することができ、それが組織全体での安定した定着につながる信頼を生んでいます。

導入効果

ワークフローの迅速化、データ整合性の向上、そしてより主体的に動けるHRチームへ

クーパンのHR業務全体で、デジタルアダプション戦略の効果は成果としてはっきりと表れています。タイムシート入力にかかる時間は85%短縮され、従業員は毎週の定型作業を、より早く、手間なく完了できるようになりました。これまで質問やサポート依頼が集中していた年次評価サイクル中も、従業員からのサポート問い合わせは41%減少し、HR業務チームはより価値の高い業務に注力できるようになりました。さらに、給与データのリアルタイムバリデーションガードレールの導入後、口座情報に関する差し戻しは15%減少しました。初回入力の正確性が高まり、エラー解消にかかる管理工数も削減されています。より大きな効果は、HRチームの時間の使い方が大きく変わったことです。HR担当者は受け身のサポート業務から離れ、最も重要な業務に集中できるようになりました。

この進化は、クーパンのHRISチームの現在の働き方にも表れています。時間に余裕が生まれ、従業員の行動も明確に把握できるようになったことで、チームは依頼に応える立場から、プロセスの課題を先回りして見つけ、実効性のある解決策を提案する立場へと変わりました。約10か国へのグローバル展開が進み、手作業による管理業務をさらに減らすためのAI活用の検討も始まっている中、クーパンのデジタルアダプション戦略は、その範囲と対象をさらに広げ続けています。

クーパンについて

クーパンは米国に本社を置くテクノロジー企業で、Fortune 150に名を連ね、ニューヨーク証券取引所に上場しています。Coupang、Eats、Play、Rocket Now、Farfetchなどのブランドを通じて、小売、フードデリバリー、動画配信、フィンテックといった多様なサービスを世界中の顧客に提供しています。