展開の土台づくりに注力した2025年を経て、WalkMeを適用するシステムを段階的に拡大してきた同社は、2026年1月時点で9システムへの実装を完了。グループでのWalkMeのユーザーは、早くも35,000人規模に及ぶ。昨今は、基幹システムへのSaaSパッケージの導入が増えていることもあり、パッケージシステムそのものに手を加えることなく、自社の業務プロセスに対応できるWalkMeは、システムの利活用強化を進める上で重要な役割を期待されている。同社はプロセスDXの重要ツールとしてWalkMeを位置づけ、現在、次の5つの柱で、各部門での効果的なWalkMe活用を啓蒙・展開中である。
1.“使える状態”を作る
何もないところから始める必要がないよう、CoE側で導入プロセスやガイドラインといった「導入の型」を用意。併せて、ブラウザ拡張機能の配布や、IdP(Identity Provider)連携などのインフラ運用を仕組み化し、グループ全体でWalkMeをすぐに使える状態にしている。
2.“学べる状態”を作る
作り方がわからないことが原因で現場の手が止まってしまわないように、CoEが学習コンテンツやトレーニング、開発者認定までを一貫して提供。実案件でつまずいたポイントや、WalkMeとのQ&Aで得た知見をコンテンツへと落とし込み、「社内版ノウハウ集」に育てている。
3.“一緒に進める状態”を作る
初めて導入する部門では、利用イメージが湧きにくいため、CoEが立ち上がりを支援。現場による開発にCoEが伴走するだけでなく、部門側のリソース確保が難しい場面ではCoEが開発自体を行うなど、臨機応変に対応し、早期に成功体験を作るのが狙いである。
4.“聞ける状態”を作る
社内サイトで技術情報やガイドライン、FAQを公開すると共に、技術相談窓口を常設。困ったときに気軽に相談できる環境を作り、WalkMe導入に対するハードルを下げている。
5.“安全に運用できる状態”を作る
現場が誤操作なく安心して開発できるようにガバナンスを設計。例えば不慣れな開発者が誤って本番環境にリリースしてしまうといったミスを防ぐため、WalkMeのロールによる権限分離を実現している。
CoEメンバーの一人である飯田氏は、「土台がしっかりしていれば、現場は動くコンテンツの開発に集中できますし、開発人材が増えていくと、現場で継続的な改善を自走できるようになっていきます」と語る。実際、「KPIでモニタリングしてPDCAを回す」運用プロセスをCoEが定義しており、「WalkMeは、どういう機能を使ったかが可視化できるので、効果を測定しやすいですね。当社のプロセスDXではデータドリブンに改善サイクルを回しています。それはWalkMeでも同様です。データを根拠に現場と一緒に改善を進める土台として位置付けています」と荒井氏は説明する。
全基幹システムへの実装に向けては、まだ道半ば。具体的な効果を検証できるのはもう少し先になるものの、操作時間が半分以下になった例が出ているほか、コストの削減効果への期待も大きい。
「WalkMeを早い段階で実装すれば、現場が使いやすくなるだけでなく、外部に作成を委託していたマニュアルを減らすことができ、問い合わせも減り、これらの対応にかかっていた外部コスト、内部コストの両方を大幅に削減できます。まさに一石二鳥を狙えるツールです。」(浅香氏)