Salesforce®関連のサポートチケットを20%削減
Workday®のオンボーディングでエンゲージメント率70%を達成
83%のユーザーが継続的なトレーニングとサポートでWalkMe活用

Thermo Fisher Scientificでは、数千人の従業員が日々Salesforce®やWorkday®などの高度なプラットフォームを利用しています。しかし、その多くはソフトウェアの持つ潜在的な機能を十分に活用できていませんでした。
そこで同社は、一貫性のあるトレーニング、効率的なオンボーディング、生産性の向上を実現するため、WalkMeのデジタルアダプションプラットフォーム(DAP)を導入しました。

WalkMeの導入により、Thermo Fisher Scientificは次の成果を実現しています。

  • Salesforce®関連のサポートチケットを20%削減
  • Workday®オンボーディング時の従業員エンゲージメント率70%を達成
  • 83%のユーザーが継続的な学習とサポートにWalkMeを活用
  • 毎月のライブトレーニングセッションを廃止
  • データ精度が2,000%向上

エグゼクティブサマリー

Thermo Fisher Scientificは、ヘルスケア、ライフサイエンス、そして関連分野における革新的技術を提供する、世界的な成長企業です。70,000人を超える従業員を抱える同社は、複数言語に対応し、効率的かつ一貫したオンボーディングとトレーニングを実現するためのツールを必要としていました。さらに、Salesforce®およびWorkday®という2つの高度なプラットフォームの定着と、従業員の継続的なエンゲージメント向上も重要な課題としていました。

この課題を解決するため、同社はデジタルアダプションおよびチェンジマネジメント戦略の一環として、Salesforce®とWorkday®にWalkMeを導入。カスタマイズされたアプリ内ガイダンスとリアルタイムの操作支援を提供することで、オンボーディングプロセスの効率化、サポートチケットの削減、そして処理エラーの減少を実現しました。
さらに、WalkMeのShoutOutとSmartTipを活用することで、アプリケーション内でユーザーと直接的かつタイムリーにコミュニケーションを取れるようになり、社内情報発信のあり方に革新をもたらしました。

WalkMe for Salesforce®

WalkMeを活用してセールスチームのトレーニングとコミュニケーションを効率化。データの精度をリアルタイムに検証し、サポート対応の負荷軽減や運用プロセスの最適化を実現しました。

お客様事例を読む

WalkMe for Workday®

新しいHCMプラットフォームへの移行をスムーズに進めるため、WalkMeを導入。10言語に対応したユーザーサポートを提供し、主要な人事ワークフローを自動化することで、業務の簡素化と一貫性を実現しました。

お客様事例を読む
営業 | 課題

効率的なトレーニングと一貫性の確保

Thermo Fisher Scientificでは、少数精鋭のITチームが多くの従業員を支えています。ITチームがより戦略的な課題に集中できるようにするためには、デジタルツールのユーザー定着を促進し、生産性を高めながら、繰り返されるプロセス関連の問い合わせを減らす方法を見つける必要がありました。
特にSalesforce®に関しては、毎日3,000人以上の従業員が利用しており、効率的なトレーニング体制の整備が急務でした。従来のトレーニングは、ハンズオン形式のチュートリアル、ウェビナー、静的なマニュアルなどが中心で、スケーラブルとは言えませんでした。

「ユーザーが日々実行すべきプロセスを正確に理解していることを確認したいと考えていました。最終的な目標は、メールや電話、あるいはSalesforce®のケースモジュール経由で寄せられるサポートチケットを減らすことです。」
— ミケーレ・ジャコムッツィ氏
CRMトレーニング&エンゲージメントスペシャリスト, Thermo Fisher Scientific

さらに、Salesforce®の新機能やアップデートに関する情報を従業員に伝える際にも課題がありました。従来の社内メールなどのコミュニケーション手段は開封されずに埋もれてしまうことも多く、効果的なチェンジマネジメントが困難だったのです。

「プロセスが変わったり、操作手順を忘れたり、やり方がわからないときでも、従業員がすぐにアクセスできるリソースを提供したいと考えていました。」
— ジャコムッツィ氏

もう一つの課題は、Salesforce®の商談データにおける命名ルールの不統一でした。命名がばらばらなことでデータベースが煩雑化し、データ管理や顧客対応、営業フォローアップの効率が低下していました。すべてのユーザーが共通の命名規則を守ることで、より精度の高いデータ管理と顧客対応を実現できると同社は考えていました。

営業 | ソリューション

プロアクティブなコミュニケーションとデータ検証のための直感的なガイダンス

Thermo Fisher Scientificは、Salesforce®内でのトレーニングとコミュニケーションを効率化するため、WalkMeのデジタルアダプションプラットフォーム(DAP)を導入しました。WalkMeはSalesforce®の画面上に見えないオーバーレイとして機能し、ユーザーが必要とするタイミングでリアルタイムにサポートと情報を提供します。

Thermo FisherはWalkMeと協力し、Salesforce®の各プロセスを段階的に案内する40以上のカスタマイズされたSmart Walk-Thruを構築しました。新しいSalesforce®の機能やアップデートを告知する際には、戦略的に配置したSmartTipやShoutOutを用いて、ユーザーが必要な情報をその瞬間に確実に把握できるように設計されています。

「WalkMeのオンスクリーンサポートは、質問や懸念が生じた後に対応するのではなく、先回りして予測し、必要な支援を提供してくれます。そのおかげで、ユーザーはSalesforce®をより積極的に活用し、自信を持って操作できるようになりました。」— ジャコムッツィ氏

また、Thermo FisherはWalkMeの検証(Validation)機能を活用し、新たに作成された商談名が定められた命名規則に従っているかを自動的に確認しています。リアルタイムのフィードバックにより誤った入力が防止され、ユーザーには正しい手順が即座に提示されます。

「このインタラクティブなガイダンスによって、商談の作成・命名・編集のプロセスが格段に分かりやすくなりました。今では、ユーザーが同僚やCRMチームに問い合わせることなく、自力で正しく対応できるようになっています。」— ジャコムッツィ氏

営業 | 利点

アプリ内トレーニングでサポートの負担を軽減し、生産性を向上

Thermo Fisher Scientificでは、Salesforce®ユーザーの90%がWalkMeを活用しており、導入後はSalesforce®関連のサポートチケットが20%減少しました。「WalkMeは、ユーザーが自分で答えを見つけられるようにガイドし、チケット数を減らしてくれます。その分、より重要な業務に時間を割けるようになるのです。」— ジャコムッツィ氏

WalkMeのアプリ内リソースによって、時間のかかる対面トレーニングセッションを置き換えることができ、CRMチームメンバー1人あたり週3〜4時間の削減を実現しました。
従業員の生産性も向上しています。画面上のセルフヘルプサポートを活用することで、従来のジョブエイド、ウェビナー、ワークショップを利用する場合に比べ、1日あたり2〜3時間の時間短縮につながっています。

さらに、WalkMeは営業担当者との社内コミュニケーションにも変革をもたらしました。「一部のユーザーは、頻繁に機能更新が行われていることを知らなかったのですが、WalkMeが画面上に新機能を直接表示することで、どのような更新があり、それが自分の業務にどう関係するかを即座に理解できるようになりました。」 — ジャコムッツィ氏

また、入力データの不一致や命名ルールの不備を防ぐWalkMeの検証機能により、導入から6か月で3,000件以上の入力エラーを防止しました。「商談名の命名規則に関するSmartTipは、これまで構築したどのプロセスよりも多く利用されています。ユーザーがその場ですぐ修正できるため、多くの時間とストレスを削減できました。」

さらにジャコムッツィ氏は次のように強調します。
「最も重要なのは、ITチームに依頼して修正を構想・開発・展開してもらうまで数か月待つ必要がないという点です。WalkMeを使えば、数時間でソリューションを構築・展開できます。特にパンデミック下ではこのスピードが極めて重要でした。COVID関連の商談を記録する際に特定の命名規則を促すシンプルかつ効果的なソリューションを展開し、関連ドキュメントの精度を2,000%向上させることができたのです。」
WalkMeにより、Thermo Fisherは迅速かつ柔軟に対応できる体制を確立。重要な局面でも、より効果的なソリューションを短期間で構築し、組織全体を支援できるようになりました。

同社は今後、Salesforce®上でのWalkMe活用を他の部門にも拡大する計画であり、Salesforce® Lightningへの移行においてもWalkMeが重要な役割を果たす予定です。

人事 | 課題

グローバルなオンボーディングの課題を予測する

グローバルで70,000人以上の従業員を抱えるThermo Fisher Scientific社は、新しい人事ソフトウェアであるWorkday®の展開方法を戦略的に検討する必要がありました。人事テクノロジーサービスチームは、さまざまなプロセスに対応したトレーニング資料を作成し、10の言語に翻訳していましたが、Workday®のバージョンリリースや社内プロセスの変更のたびにそれらを更新する作業は非常に煩雑で、負担の大きいものでした。また同社は、従業員の所在地やライブトレーニング、ヘルプへのアクセス環境に関係なく、各個人に合わせて最適なタイミングで提供されるパーソナライズされたトレーニング体験を実現したいと考えていました。

人事 | ソリューション

効果的なオンボーディングがシームレスな移行を促進

Workday®へのシームレスな移行を支援するため、HRテクノロジーサービスチームはWalkMeアプリを組み合わせて、役割別のオンボーディングガイドを作成しました。カスタマイズされたガイドにより、各従業員が迷うことなくシステムを操作し、混乱や中断を最小限に抑えてタスクを完了できるようになりました。Workday®が導入された後も、これらのガイドは組織の成長とともに継続して価値を発揮しています。

Thermo Fisherは新たな企業を買収するたびに、最大で1万人の新規従業員を一度にオンボーディングする必要がありましたが、WalkMeのオンボーディングガイドにより、新しいユーザーやプロセスを大規模に管理し、Workday®のUXが変化しても簡単に維持できるのです。
しかし、WalkMeの価値はトレーニングだけにとどまりません。同社は、アプリケーション内でユーザーの注意を重要な情報に引き付け、適切な行動を促すWalkMeの機能も高く評価しています。
たとえば、人材募集のリクエストの申請プロセスを初回で完了できないという課題に対し、チームはWalkMeサーベイを活用してリアルタイムのユーザーフィードバックを収集し、ユーザーが必要な情報を持たないままプロセスを開始していることを突き止めました。その結果、プロセス開始時に自動で表示されるShoutOutを作成。事前に必要な情報のリストを提示し、どのように入手すればよいかを案内することで、ユーザーは1回の操作で効率的に手続きを完了できるようになりました。

さらに、WalkMeは製品の制約を克服し、特定のユーザー層に合わせたコンテンツ調整も可能にしています。たとえば、翻訳がサポートされないカスタムフィールドや必須設定ができない項目などにも対応できるよう、Thermo Fisherは独自のLauncherを構築。10の言語に翻訳したうえでセグメント化し、ユーザーの母国語で表示できるようにしました。また、必須カスタムフィールドには赤いアスタリスクを追加し、入力を促す視覚的なキューを提供。このような工夫により、すべてのユーザーが効率的かつ正確にプロセスを完了でき、混乱やサポート依頼を大幅に削減しました。

人事 | 結果

スケーラブルなチェンジマネジメントが従業員のアダプションを促進し、トレーニングの維持を削減

Thermo Fisherチームは、WalkMe Insightsの強力な分析機能を活用し、グローバル規模でユーザーにリアルタイムかつスケーラブルなトレーニングとサポートを提供する能力を測定しています。昨年だけで、46,000人のThermo Fisher従業員が約55万5,000件のWalkMeコンテンツとエンゲージしました。Workday®の新規ユーザーのうち70%がパーソナライズされたWalkMeオンボーディング体験を利用し、83%のユーザーがトレーニングとサポートのためにWalkMeを継続的に活用しています。
さらにWalkMe Insightsを通じて、各ソリューションがユーザー行動にどのような影響を与えているかを詳細に把握することができます。たとえば、人材募集リクエストのためのShoutOutの導入以降、四半期ごとに平均5,800人の従業員がコンテキストメッセージの恩恵を受け、初回でプロセスを完了できるようになりました。

また、カスタムフィールドの制約を克服するために開発されたソリューションは、世界中の6,100人以上の従業員を支援し、混乱なく正確にフォームを記入できるようにしています。
Workday®の新バージョンリリース後のコンテンツ更新も、これまでになく容易になりました。以前の経験から、HRテクノロジーサービスチームは新バージョンリリースのたびにトレーニング資料を更新するのに約6か月を要していたことを知っていました。しかしWalkMeの導入により、ドキュメントやスクリーンショットの更新作業はほぼ不要となり、大幅な時間と労力を削減。その分、より戦略的な施策に集中できるようになり、常に正確で最新のサポートをエンドユーザーに提供できるようになりました。

また、WalkMeの自動化機能により、業務プロセスの自動実行やユーザー操作の効率化も実現しています。たとえば、従業員が採用申請を送信した後、追加データの編集を忘れてしまうことが多く、サポートへのエスカレーションが発生していました。このプロセスにWalkMeを活用して次のステップを自動クリックで案内することで、プロセス完了率を100%に引き上げ、処理時間を5%短縮、サポートチケットを10%削減しました。このような自動化を他の主要ワークフローにも展開した結果、組織全体で数千時間分の非効率なサポートや生産性損失を削減できました。

そして何よりも重要なのは、WalkMeによってThermo Fisherが構築した体験そのものが、組織に体系的でプロアクティブなチェンジマネジメント文化を根付かせた点です。
新しいユーザー、プロセス、あるいはWorkday®のUI変更など、どのような変化であっても、WalkMeが従業員を的確かつ効率的に導き、組織全体の変革を推進する原動力となっています。

Thermo Fisher Scientific社について

Thermo Fisher Scientific社は、科学の発展を支援する世界的リーダー企業です。グローバルで200億ドルを超える収益と、約70,000人の従業員を擁しています。同社は、ライフサイエンス研究の加速、複雑な分析課題の解決、患者診断の改善、市場への医薬品提供、そしてラボの生産性向上など、幅広い分野で顧客を支援しています。