生産現場の3K、オフィスワークの3M 塩谷 晴久 氏 株式会社リコー DX本部 ワークフロー革新センター プロセスDX開発室 室長 ランチタイムのセッションに登壇されたのは、株式会社リコーの塩谷晴久氏です。DX本部ワークフロー革新センターで、プロセスDX開発室の室長を務めておられます。業務設計・業務改革やBPMの領域を経験され、2018年にRPAのCoEへ参画されて以来、社内デジタル革命の活動に携わってこられました。 リコーが掲げるのは「“はたらく”に歓びを」という企業理念の使命と目指す姿です。 「リコーは1977年にオフィスオートメーションという言葉を提唱しました。機械にできることは機械に任せて、人はより創造的な仕事に。この思いは2026年の今も変わっていないと思います」 プロセスDXに踏み出した背景には、製造業ならではの気づきがありました。生産現場ではきつい、きたない、キケンの3K作業を自動化し、取り除いてきた。ところが当時のCEOだった山下現会長が、同じことがオフィスでも起きているのではないかと指摘します。 時間ばかりかかる面倒な作業、繰り返しでつまらないマンネリの作業、月末に数字を合わせなければならないミスできない作業。オフィスワークの3Mです。これをデジタルの力で取り除いていく。2018年にRPAを起点として始まったボトムアップの活動は、2021年に組織横断のプロセスDXへと広がっていきました。 無駄な作業が、無駄のままデジタル化されていた RPAの導入から3年が経った頃、塩谷氏はある人事業務に出会います。部門から部門へExcelとメールでバケツリレーのように受け渡していく業務でした。RPAで自動化すれば作業は楽になる。実際に効果も出た。それでも塩谷氏は立ち止まります。 「このバケツリレーみたいな業務を、そのままRPAでやっていいものだろうかという疑問に立ち返りました」 無駄な作業が、無駄のままデジタル化されただけではないか。大切なのはエンドツーエンドで可視化し、プロセスそのものを見直して最適化することだ。この気づきが、リコー流のBPM活動をプロセスDXとして体系化する出発点になります。 型は、可視化、最適化、デジタル化の三段階です。デジタルありきではなく、まず業務を理解して目的やプロセスを見直してみる。その順番を崩さないことが前提に置かれました。 可視化では、いきなり業務フローを描くのではなく、その組織にどんな業務があるのかを構造化し、業務量や属人化の状況を把握するところから始めます。 「業務の改善というと、どうしても声の大きい人の改善が優先されてしまう。そこをしっかりデータから優先順位をつけていく」 そのうえで、優先順位の高い業務について問題を引き起こすメカニズムを可視化していきます。 続く最適化が、この型の要になります。目の前の手順を効率化するのではなく、そもそも何のためにこの業務を行っているのか、本来あるべき姿はどういうものかを考えて、プロセスを再設計する。そこから無駄を排除し、デジタルやAIを組み込んで最適化していきます。個別最適なAIが導入されて人手で補完される状態に陥らないよう、統合的な視点を欠かさないことが条件です。 誰もが同じやり方で進められるよう、可視化を担うビジネスアナリスト、デジタル化を担うシチズンディベロッパーという人材像も定義し、育成とセットで社内に展開しています。 点の成功は、そのままでは面にならない デジタルツールの使い分けにも考え方があります。業務量の多い基幹システム領域はクリーンコアで使い、日本企業特有のフィットしない部分はCoEによる周辺開発でカバーする。部門最適や個人最適の業務は、IT部門の順番待ちにせず市民開発に委ねる。 ただし、クリーンコアで使う基幹システムそのものは、改善の余地があっても手を入れにくい。ここにピースが足りていませんでした。 「そこをWalkMeさんのソリューションでケアして、基幹システムをWalkMeで改善していくような活動が、今始まっています」 リコーのWalkMeは2021年、受発注システムへの初導入から始まりました。2024年に購買とERPへ横展開し、操作時間は30〜50%短縮、問い合わせは20〜30%削減という効果が継続して確認されます。そして2025年、全社展開が決まりました。 ここで見えたのが、点の成功はそのままでは面にならないという壁です。導入の標準プロセスが存在せず、案件ごとにゼロから始めることになる。ノウハウが個人に留まり、他システムに再利用できない。作った拡張機能を全社のユーザーへ配布する仕組みもない。 CoEはこの3つを取り除く役割として設立されました。開発プロセスを標準化し、ノウハウ展開のガイドラインを整え、IT部門と連携して拡張機能を全社に配布する。現業部門とIT部門をCoEがつなぐ、三位一体の体制です。 整備したのは、進め方、品質、ドキュメントの3つの型でした。小さく出して改善するアジャイル型の導入プロセス、属人化を排除する開発ガイドライン、要件定義書や設計仕様書の雛形一式。加えて解説動画を58本用意し、初版はWalkMeのサポートを得ながら作り、現在は自走でブラッシュアップを続けています。 当初は利用部門が市民開発ツールとして使うことを想定していましたが、基幹システムに絡む以上、現場のメンバーだけで開発するのは難しいと分かりました。そこで利用部門開発型とCoE開発型のハイブリッドに切り替えます。1stリリースはCoEが手厚く伴走し、2ndリリースは分からない時だけチャットで相談を受け、3rdリリース以降は利用部門が自走する。 導入システム数は14、利用者は約35,000名、CoEを除く開発者認定は45人。社内推進サイトがナレッジを集約するハブとして稼働し、利用部門向けに事例や更新情報を定期発信しています。 塩谷氏は、CoEという仕事の心得についても触れました。相手が動いてナンボであること。推進する側も自ら実施しなければ評論家になってしまうこと。そして仕事の進め方に正解はないので、型通りではなく型を活かすこと。 「相手の成果は相手のもの、相手の未達は自分のせいです。相手に成果が出たら、陰でこっそり喜ぶ。そういう黒子に徹するような仕事だと思っています」 それぞれの部門に、それぞれの正しさがある 後半のテーマは、AIとプロセスDXの関係です。 「世間はAIエージェントに熱狂しています。何でもできる、業務は全て自動化される、人はいらなくなる。ただ、現実の企業の業務はそんなに簡単ではなく、もっと複雑だと思っています」 DXに関わる部門には、社内のあらゆる方面からAIエージェントは使えるという声が届きます。経営層からも上司からも来る。塩谷氏は、それぞれの言っていることは正しいと言います。問題は、同じAIエージェントという言葉でも立場によって思い描くものが違うことです。 業務部門は手間を肩代わりする代行者として、IT部門は統制が必要なシステムとして、データ部門は正しいデータがなければ動かない仕組みとして見ている。それぞれが正しく、しかし誰も全体を見ていない。 だからこそ、プロセスという共通言語を真ん中に置く必要がある。どこの話をしているのか、どこにAIを活用できるのか。同じ絵の上で議論できるようにしなければ、期待と現実の差は埋まりません。 生成AIそのものにも、得意と不得意があります。探索、要約、下調べ、文書のドラフト。これらに共通するのは、誤りを後から修正できることです。一方で会計、契約、支払いといった確定処理や、法令に関わる判断は、誤りの影響が大きく説明責任が伴います。 「確率的な判断を、確定的な業務処理と同じように扱ってはいけない。つまるところ、誤りの許容度で使い方を変えなければいけないと分かりました」 リコーが整理した方向性は2つです。エージェント同士で完結させるA2Aは、情報収集や議事録整理のように並行して走らせる業務に向く。人が結果を比較・統合して最終成果にします。もうひとつが人の判断を介在させるHITLで、基幹系のように確実さが求められる業務では、プロセスがAIを統制する形をとります。 「AIは提案まで、確定は人とプロセスが担う。例外や低信頼度のものは自動的に人へ戻し、証跡を残します」 実例として紹介されたのが、ある事業部門の請求書業務でした。当初はAI-OCRでデータ化してRPAで基幹システムに投入すればよいと考えていましたが、プロセスDXの型に沿って作業を可視化すると、別の姿が見えてきます。そもそも請求書が担当者のところに集まってこない。OCRでデータ化しても、基幹システムに入力するための項目が足りず自動入力できない。 そこでエンドツーエンドで設計し直します。請求書を確実に集めるために登録のアプリを用意し、OCRが読み取ったテキストから勘定科目をAIが予測する。会場で示された例では、読み取ったテキストだけを見ても担当者以外には何の品目か分かりませんでした。それをAIが判断します。 「属人化していたところを、ちゃんとAIが持ってくることができるようになりました」 構造化したデータとAIが判定した勘定科目がそろえば、最後は人が確認し、RPAが自動的に入力していく。小さく始めた取り組みでしたが、現在はプロセスの異なる経理部門へも展開が始まっています。 人とAIを、プロセスでつなぐ 塩谷氏は、WalkMeのAI機能にも期待を寄せていると語りました。Action BarでAIアクションが選択できるようになったことです。 「WalkMeはプロセスの中で人をガイドしていけるのが非常に強みだと思っています。どういう手順を追っていくのかを誘導していく、その中でAIを活用して、さらに業務を高度化できるのではないかと思っています」 人間向けに最適化するのがWalkMeの元々の機能だとすれば、そこにAIによる強化が乗る。画面に表示された情報をもとにAIで処理できるようになることに、大きな可能性を感じているといいます。 最後に、塩谷氏はこの日の講演全体を一つの言葉でまとめました。 「AIだけで価値が生まれることは、なかなかないと思っています。人とAIをプロセスでつなぐことで、価値が生まれる」 プロセスは共通言語になる。その共通言語の中で、どこを人がやり、どこでITを使い、データを使い、AIを使うのか。それをしっかりオーケストレーションしていくことに、プロセスがある意義がある。 「プロセスを価値あるプロセスに変えていって、そこにAIをしっかり活用していく。その先に、これまでにない新たな業務の価値が生まれていくのかなと思っています」 当日の講演動画はこちら   【前編】WalkMe on Tour Tokyo 2026 AIの可能性を、成果に変える 【後編】WalkMe on Tour Tokyo 2026 AIの可能性を、成果に変える ...

by WalkMe Team, 10月 2, 2026

綱渡りで仕事をしていた社内システム 半場 雄二 氏 農林中央金庫 理事常務執行役員 ITデジタル統括責任者(CI&DO)/農中情報システム株式会社 代表取締役社長 Aトラック2番目のカスタマーセッションに登壇したのは、農林中央金庫の半場雄二氏です。1993年に入庫し、2018年にIT統括部長、2023年から現職。グループのIT子会社である農中情報システムの社長も兼務し、農林中央金庫のIT部門全体を統括しています。 農林中央金庫は1923年設立、農林水産業の協同組織を基盤とする全国金融機関です。連結総資産は83兆2,928億円、会員は3,167団体、従業員数は3,380人。JAグループ、JFグループ、J-Forestを出資者とし、それらの信用事業を担う立場にあります。JAグループの組合員数は1,015万人。この規模の金融事業を支えるシステムインフラも、半場氏の所管です。 取り組みが本格的に動き出したのは2021年でした。ただ、そこに至るまでの社内のツール環境は、決して整ったものではありませんでした。2021年にMicrosoft 365を導入したものの、掲示板や報告システムは旧グループウェアに残り、従来のワークフローシステムも残存していました。しかもそれらは連携していません。 「職員は各システムを手作業で綱渡りしながら業務を行っていました。コンテンツもファイルサーバーがあり、旧グループウェアの掲示板があり、ワークフローシステムの中にも文書管理の領域があり、Microsoft 365を入れたのでポータルもある。探すのも一苦労でした」 課題は3つに整理されていました。複数システムの利用による業務プロセスの煩雑化。コンテンツ集約先の点在による利便性の欠如。そして、要件整理からベンダーに一任したことによるシステムのブラックボックス化とコストの高騰です。 ここで半場氏が強調したのは、取り組む際のスタンスでした。 「単なる働く環境やインフラの刷新ではありません。仕組みや制度、業務の見直し、組織風土とセットで、その次につながるように取り組みました。DXを通じたCX、コーポレートトランスフォーメーション。これが基本的なベースにあります」 技術、制度、組織風土の三つを一体で動かす。縦割りや兼務文化を、コラボレーションとアジャイル型へ。PDCAサイクルからOODAループへ。ITインフラの整備は、その入り口として位置づけられていました。   役割を決めて、つなぐ。グランドデザインという設計思想 そこで描かれたのが、ITデジタル環境のグランドデザインです。ワークフローのプラットフォームはServiceNow、コミュニケーションのハブはMicrosoft 365、コンテンツのプラットフォームはBox。ソリューションごとに主要な役割を決め、APIで相互に連携させる。そして再構築する業務は、従前のAs Isをなぞるのではなく、エンドツーエンドで見直す。最初からこの絵が描けたわけではないものの、早い段階でイメージを持ち、整備の過程でもこの思想を守り続けたといいます。 実現に向けた工夫が、機能の部品化でした。まず稟議や報告といった汎用的なプロセスから着手したところ、あることに気づきます。 「いろんなプロセスがあるんですけど、分解すると基本機能は結構共通だよね、と。それなら部品化しようという議論になりました」 回付ルート、閲覧権限、部内承認、Box連携、チャット通知。切り出した部品を組み合わせる方式に変えた結果、ServiceNowの初期導入後1〜2年で、約8名の開発人員により30件ほどの専用ワークフローが立ち上がりました。プロセスの標準化と、同じ流れで操作できる職員体験の統一にもつながっています。 ワークフローで回付したコンテンツは、メタデータを付与してBoxへ自動格納する仕組みを組みました。当初の狙いは検索性でしたが、いま振り返ると別の価値が見えてきているといいます。 「当初は検索性の向上につながったと思っていましたが、今考えるとAIレディなコンテンツにもつながってきたのかなと感じています」 土台ができたことで、適用範囲も広がりました。現在は、マーケット業務の商品ごとに作られた個別プロセスシステムや、オペレーショナルリスクの報告システムなど、既存システムに点在する業務のプラットフォームへの取り込みを進めています。地味に積み上がっていた保守工数の削減と、既存システムの断捨離につながる取り組みです。法人向けの融資業務では顧客ポータルを設けるなど、対外接点まで含めたプロセスの見直しにも踏み出しています。   現場と伴走する「ビジネス共創部」へ 全社共通インフラの整備と並行して進めてきたのが、個々のビジネス領域での取り組みです。今後はここに軸足を移すべく、組織にも手が入りました。経営企画部門にあったデジタル推進組織をIT部門へ統合して2024年4月にDX共創グループを設置し、2026年4月、これを「ビジネス共創部」として再編しています。 「名前のとおり、ビジネスと共同してビジネス価値を一緒に創出しましょう、という思いでつけました。各ビジネス本部と伴走しながら、ビジネス課題とその解決による価値創出を共有して一緒に取り組む。いわば社内のFDE(Forward Deployed Engineer)のような役割だとご理解いただければと思います」 現場に張り付くだけではサイロ化するため、後方にはアーキテクチャや採用技術、プロセスを見る組織を置き、全社的な人材育成もここが担います。メンバーは自庫のIT人材、ビジネス部門からのローテーション人材、農中情報システムからの出向人材という構成です。 AI活用も、この枠組みの中で進んでいます。これまではMicrosoft CopilotやBox AIといった全社共通ツールの導入とハンズオン研修が中心でしたが、ここから先は個別のビジネスに寄っていきます。紹介されたのは2つの事例です。ひとつは社内汎用FAQのAIエージェント化で、規程類をBoxに集約済みであることが効いており、所管部とのやりとりをナレッジとして蓄積することで暗黙知を組織知へ変えていきます。もうひとつは法人融資の営業活動支援エージェント。営業記録、顧客データ、財務データ、市況データをもとに、提案のレコメンドからネクストステップの優先順位付けまでを自律的に支援します。 「メインのプロセスを再構築しても、周辺には細かな業務が残ります。そこは市民開発で取り組めないかと検討していますし、ユースケースと並行してガバナンスの整備も進めています」   マニュアルを作って配ったら、誰も読まなかった 講演の後半は、これらの取り組みをどう現場に浸透させ、定着させてきたかに移ります。 改めて時系列を追うと、2021年にMicrosoft 365、2022年にBox、2023年にワークフロープラットフォームをServiceNowへ刷新、翌年にはTeamsとBoxを連携させ、ファイルサーバーもBoxへ移行しました。この密度です。 「農林中金は基本的に伝統的な日本企業です。こんな感じで社内環境を変えていくと、当然フリクションは起きます。こんなにどんどん変えても、ついてこられるわけがないじゃないか。そんな声も多数ありました」 若い世代はすぐ使いこなす。しかし世代はすぐには変わらない。そしてAI時代が来る。 「AIで人間の創造性が拡張されると言われますが、AIを当たり前に使えるかどうかで大きく変わります。今とても重要なテーマだと思っています」 打ち手のひとつが人材育成です。全役職員を対象とする「ITデジタル人材」は2030年に6,000人が目標。その上に、DXを推進できる「DX人材」を2030年までに300人規模で確保する計画で、2026年現在で243名が育成プログラムを修了しています。デザイン思考とスクラムを軸にプロセスとセキュリティの要素を加えたトランスレーター育成プログラム、実際の業務課題にビジネス共創部が伴走するデータサイエンティスト育成プログラム。最近ではBPRの専門研修も強化しています。外部コンテンツは使いつつ、プログラムの設計そのものは内製です。 もうひとつの打ち手が、WalkMeでした。きっかけは、2021年のMicrosoft 365導入時の経験です。 「きちんとしたマニュアルを作ってユーザーに配りました。ただ、ユーザーはマニュアルをプリントアウトします。しかも結構な人がカラーコピーで。そしてほとんど見もせずに照会してきます。照会がいっぱい来るので対応も遅れる。双方に本当にストレスがかかる状況でした」 これをどうにかしたい。その時期にさまざまなソリューションの導入を控えていたこともあり、WalkMeの導入に至ります。 「その直後にやったワークフローの刷新では、ほぼマニュアルなしです。今も最低限の整備で進めています。使ってほしくない機能を目隠ししたり、誤操作を防止するようなこともできました」 マニュアルを探して読む作業から、業務画面に埋め込まれた操作体験へ。ユーザーが迷う前に、その場で理解できる環境をつくる。UI変更があれば即時反映でき、IT知識がなくても実装と保守ができることも、短期間での展開を支えました。 ただし半場氏は、WalkMeだけで解決したわけではないと付け加えます。 「拠点は20ほどですので、全拠点を巡回してハンズオンの研修というアナログ対応もしました。その中でWalkMeの使い方もフェイストゥフェイスで説明して、これいいねという話にもなりました。デジタルだけで解決できる部分だけでなく、アナログもうまく組み合わせたのが良かったのかなと今では感じています」 発想そのものも変わってきたといいます。 「不要な機能は運用で対処してもらおうというところを、ランチャーで目隠しするといった発想も出てきました」   DAPとAIが融合する先へ 現在、WalkMeは複数の全社共通システムに実装されています。全社ワークフローのServiceNowではチュートリアルと操作ガイドによるマニュアルレス化に加え、システム側で不足する簡易検索機能をWalkMeで補完。人事管理システムのCOMPANYでは年末調整や育産休、海外赴任対応のガイダンスを短期間で実装し、照会の多い項目は当日中にレベルアップしています。経費精算のConcurでは注意喚起の表示や不要項目の非表示により、入力ミスと差し戻しを抑制。一部のユースケースでは、照会件数が前年比3分の1まで減りました。人事系システムへの実装は約2カ月で本番リリースに至っています。 やや毛色の違う使い方として紹介されたのが、SharePointで構築した全社ポータルです。 「役員の似顔絵を作って、シャウトアウト機能でポップアップが出るようにしています。結果的に、職員の半分ぐらいがそれ経由で閲覧しています」 そして足元では、WalkMe AI機能のPoCが動いています。検証中のユースケースのひとつがConcurです。宿泊費の上限金額は役職ごとに異なり、規程も役職別に分かれています。そこで初回のみ自身の役職情報を選択させ、以降はWalkMe Data内に保持。ナレッジソースに登録した規程を参照し、入力された金額が上限を超えていれば注意ガイダンスを表示します。簡易な自然言語で指示でき、WalkMe側にロジックを持たないため、規程が改訂されてもメンテナンスは不要です。 半場氏がWalkMeに期待する姿は、「業務とシステムの間に立つインテリジェントな触媒」への進化でした。人がシステムに合わせるのではなく、システムが人の業務に寄り添う形へ。 「AI活用がさらに進んでいく時代の中で、UIのところでDAPとAIをうまく融合して、全体としてより効果を創出できる状況も出てくるのかなと意識しながら取り組んでいます」 講演は、こう締めくくられました。 「環境もテクノロジーもどんどん変わりますので、感覚的に言うと、目処がつくようなことはまったくなく、まだまだ迷いながら進めているのかなと感じています。そういう状況だからこそ、本日の話が皆さんの参考になれば幸いです」   当日の講演動画はこちら   【前編】WalkMe on Tour...

by WalkMe Team, 10月 2, 2026

新しいソフトウェア導入で最も難しいのは技術ではなく、変化に対する人々の反応です。明確な計画や十分なサポートがなければ、変更管理の取り組みは停滞し、従業員の士気を損ない、導入を遅らせます。 デジタルアダプションは決して一気には進みません。新しいツールを積極的に試す従業員もいれば、効果を確かめるまで待つ従業員もおり、選択肢がない場合にのみ適応する従業員もいます。こうした違いが摩擦を生み、管理、生産性、信頼に関する懸念を引き起こします。 技術普及曲線はこの課題に対処する枠組みを提供します。従業員を5つの導入グループに分類することで、リーダーは反応を予測し、コミュニケーションを効果的に捉え、導入の順序付けをより適切に行えるようになります。 この記事では、技術普及曲線とは何か、組織変革においてなぜ重要なのか、そして導入率と長期的な従業員定着率の両方を向上させる具体例を用いて、その適用方法を解説します。 技術普及曲線とは何か? 技術普及曲線は、人々が新しい製品、アイデア、技術を時間をかけてどのように採用するかを示すモデルです。ベルカーブのような形状をしており、ユーザーを5つのカテゴリーに分類します:イノベーター、アーリーアダプター、アーリーマジョリティ、レイトマジョリティ、ラガード。 これらのグループを理解することで、企業は普及率を予測し、各段階に向けたターゲット戦略を設計できます。例えば、イノベーターは先進機能を即座に採用する一方、レイトマジョリティは実績が証明され広く受け入れられるまで待つ傾向があります。 Everett Rogers氏の「イノベーター理論」に基づくこのモデルは、効果的な変更管理と従業員のオンボーディングが導入成功を左右するB2B SaaS分野で特に有用です。製品ローンチ、マーケティング手法、長期的なイノベーション計画の指針となります。 技術普及曲線が重要な理由は何か? 技術普及曲線は、イノベーションがどのように拡散するか、そしてタイミングがなぜ重要かを示しています。B2B SaaS企業にとって、このフレームワークは市場投入戦略だけでなく、企業内部での変革管理にも役立つものです。 製品視点では、この曲線はリーダーが投資を顧客行動に整合させる手助けとなります。アーリーアダプターは先進機能を重視しプレミアム価格を支払う意思がある一方、アーリーマジョリティは大規模で実績あるソリューションを求めます。この移行、特にニッチ採用と主流利用の間の「キャズム(溝)」を誤判断すると、成長が停滞し長期収益が損なわれます。 内部的には、技術普及曲線はデジタルトランスフォーメーションにおける従業員の士気と定着率の維持にも寄与します。初期の推進者にまず焦点を当てることで、組織は抵抗を減らし、新プラットフォームの導入を加速させ、失敗した展開に伴う高額なコストを回避できます。 最終的に、このフレームワークは経営陣に戦略的な視点を提供し、導入パターンの予測、リソースの優先順位付け、市場参入計画を可能にします。不確実性を持続可能な成長へのロードマップに変えるのです。 技術普及曲線の5つの段階とは何か? 技術普及曲線は、それぞれ異なる行動特性と動機を持つ5つのグループを特定します。これらのグループを理解することで、リーダーは製品の発売、デジタルアダプション、そして組織変革管理においてより効果的な戦略を設計できます。 1.イノベーター イノベーターは新技術をいち早く探求する人々です。実験を好み、実用性よりも好奇心によって動機づけられます。彼らを惹きつけるには、早期アクセスやベータプログラムの提供、新機能に関する透明性のあるコミュニケーションが有効です。彼らのフィードバックは、広く展開する前に製品を洗練させる上で非常に貴重です。 2.アーリーアダプター アーリーアダプターは、新たなソリューションの可能性を見抜く先見性のあるリーダーです。製品が競争優位性をもたらすと確信すれば、計算されたリスクを厭いません。彼らを惹きつけるには、明確な価値提案、問題解決の効果を示す事例研究、強力なサポート体制が必要です。彼らの支持は、次の段階の採用層に影響を与えることがよくあります。 3.アーリーマジョリティ アーリーマジョリティは現実的で慎重なアプローチを取ります。実際に導入する前に成功の証拠を求める傾向があり、彼らにとって顧客の声、同業者の紹介、実世界のメリットのデモンストレーションが重要です。シームレスな導入体験、高い信頼性、明確な実績が、この層の確信を持った採用を促します。 4.レイトマジョリティ レイトマジョリティは懐疑的でコスト意識が高いです。製品が主流になって初めて採用する。彼らにリーチするには、業界標準に裏付けられた安全で実績のある選択肢としてソリューションを位置付けることが必要です。シンプルな導入、信頼性の高いカスタマーサポート、明確なドキュメントが彼らの躊躇を減らします。 5.ラガード ラガードは変化に抵抗を示し、代替手段がなくなった場合にのみ採用します。初期の成長を牽引する存在ではないが、組織全体の完全な採用には依然として重要です。ここでは安定性、コンプライアンス、継続性に焦点を当てるべきです。つまり、自社のソリューションが業界標準となり、長期的な成功に不可欠であることを示す必要があります。 技術普及曲線の実際の適用例は何か? テクノロジー採用曲線を採用することで、企業リーダーは変革を精密に計画できます。従業員、顧客、パートナーといった各グループがどの段階にあるのか、また各段階で採用を加速する戦略は何かを明確にします。 金融サービスにおけるクラウド移行 銀行がクラウドインフラに移行する際、イノベーターやアーリーアダプターは往々にして、性能テストを熱望するパイロットチームです。彼らのフィードバックにより、大規模展開前にコンプライアンスやセキュリティのギャップが明らかになります。ガバナンスフレームワークが整うと、アーリーマジョリティが続きます。レイトマジョリティやラガードが動き出す頃には、重点は安定性、レガシーシステムとの統合、長期的なベンダー管理へと移行します。このように採用を段階的に進めなければ、銀行はプログラムの停滞や規制上の後退リスクを負うことになります。 職場におけるエンタープライズAIツール AIコパイロットと自動化プラットフォームは波のように広がっていきます。イノベーターは最先端機能を実験し、アーリーアダプター(多くの場合ITやマーケティング部門)がビジネス価値を実証します。アーリーマジョリティはROI、トレーニング、サポートを要求します。レイトマジョリティはバイアス、プライバシー、コンプライアンス問題に対する安全策を必要とします。導入段階をマッピングするCIOは、現実的なタイムラインを設定し、文化的抵抗を減らし、責任あるスケーリングを導くことができます。 サイバーセキュリティフレームワーク ゼロトラスト認証の導入は、セキュリティ運用部門のイノベーターから始まります。アーリーアダプターは新たな制御を受け入れるリスク意識の高いチームです。アーリーマジョリティ層には啓発キャンペーンと測定可能なリスク低減による安心感が必要となります。レイトマジョリティ層とラガード層への導入は、コンプライアンス義務によって「新たな手法」が必須となる場合にのみ実現します。 技術普及曲線の手法を活用して変化への抵抗を減らす 熱心なイノベーターから慎重なラガードまで、多様なユーザーグループのニーズを理解することで、チームは全員の要求を効果的に満たすカスタマイズされた戦略を策定できます。例えば、技術採用曲線モデルを活用すれば、アーリーアダプターを推進役として活用できます。さらに、レイトマジョリティやラガードが安心感を得るために必要な追加サポートや実証を提供することも可能です。 このプロセスを強化するため、企業はデジタルアダプションソリューション(DAS)を活用できます。これらのツールは新ソフトウェア内のガイドとして機能し、ライブサポートと進捗追跡を提供することでフラストレーションを最小限に抑えます。 技術面以外では、抵抗を最小化するには、明確かつ一貫したコミュニケーション、従業員の初期段階からの巻き込みによる当事者意識の醸成、そして従業員の士気を高めるための個々の努力の認識が重要です。 適切なツールと上記の戦略を組み合わせることで、企業はより強靭な文化を構築し、あらゆるデジタルトランスフォーメーションにおける長期的な成功を確実にすることができます。 ...

by WalkMe Team, 10月 1, 2026

前編では、WalkMe株式会社 野田亮によるオープニング、来場者参加型クイズ、WalkMe Ltd. CRO スコット・リトル、そしてSAPジャパン株式会社 代表取締役社長 堀川嘉朗氏との対談をお届けしました。後編は、Customer KeynoteとProduct Keynoteです。   【荏原製作所】DXの「d」は小文字、「X」は大文字 小和瀬 浩之 氏 株式会社荏原製作所 執行役 CIO(情報通信担当)兼 情報通信統括部長 Customer Keynoteには、株式会社荏原製作所 執行役 CIO(情報通信担当)兼 情報通信統括部長 小和瀬浩之氏が登壇しました。テーマは「テクノロジー投資を、確かな成果に変える。荏原製作所のDAPとAIの活用」です。 荏原製作所は1912年創業、今年で114年目を迎える産業機械メーカーです。関連会社112社、従業員は連結で2万人を超え、売上の65%が海外。シンガポールのマーライオンの噴水も、ラスベガスの取水ポンプも、同社の製品が支えています。 小和瀬氏はまず、DXの捉え方から話を始めました。「私はいつも、DXは『d』が小文字で『X』が大文字だと申し上げています。Dは手段、Xが目的だからです。うまくいっていない会社は、これが逆になっている。他社がDXに取り組んでいるから、社長がIT責任者を捕まえて『うちもDXをやれ』と言う。そういう会社は、うまくいきません」 同社が重視するのは、経営と業務部門とIT部門の三位一体です。「当たり前と言えば当たり前ですが、これができている会社がうまくいっている。特に重要なのは経営です。社長が本気で取り組まないと、デジタルトランスフォーメーションはできません」 同社はDX認定を早期に取得し、2025年4月に2度目の更新を完了。「DX注目企業2022」にも選定され、小和瀬氏自身は「日経クロステックが選ぶCIO/CDOオブ・ザ・イヤー2023」の初代大賞を受賞しています。   【荏原製作所】72システムへの展開と、現場で起きた変化 では、なぜDAPが必要だったのか。小和瀬氏は自身の40年のキャリアから語りました。 「日本と海外では、システムを使うカルチャーが違います。海外、特にアメリカでは入力するのはプロフェッショナルです。日本は現場の方に入力していただく。だから私が若い頃に手組みで作った仕組みは、画面にかなりの入力チェックを入れていました。半角で入れてほしいところに全角が入ってきたら自動的に変換する、といったことです」 転機は1995年、タイ駐在時のSAP導入でした。「困ったと思ったのは、パッケージの画面にはチェックが全く入っていないことでした。全部入れようとすると、ABAPで全部開発しなければならない。コストも上がるし納期も長期化して、現実的ではありません。それ以来ずっと、画面をチェックしてくれる簡易なツールはないものかと思っていました」 DAPは、その答えでした。荏原製作所は2023年3月に2システムでトライアルを開始。2024年8月に22、2025年8月に45、そして2026年8月時点で72システムへと展開しています。 効果も具体的です。国内グループ約8,000名が使う勤怠管理システムでは、入力方法に関する問い合わせが8割減少しました。「たまにしか使わない入力ってありますよね。電車が遅れたときにどう入力するか、とか。以前は分からずに誤入力したり、サポートデスクに問い合わせが来ていました。自動ナビゲーションで操作を案内することで、問い合わせは8割減。これは実際の数字です」 電子帳簿保存法への対応では、より踏み込んだ使い方をしています。「誤入力は法令違反になります。教育を徹底するという方法もありますが、それよりもWalkMeでコントロールしてしまう。おかげでデータ精度を計画どおり確保できました」。このシステムは、国内グループ約40社のほとんどに展開されています。 さらに同社は、デスクトップ常駐型のWalkMe...

by WalkMe Team, 9月 16, 2026

WalkMeはAIを活用した新たなデジタル学習ソリューション「WalkMe Learning Arc」を発表しました。これは、従業員が日常的に使用するツールにトレーニングを直接組み込むことで、組織が従業員の習熟度を高める方法を変革するものです。   多くの企業トレーニングは依然として時期尚早に実施され、業務が行われる現場や必要な瞬間の両方からかけ離れています。このアプローチは人間の記憶に関する根本的な現実と矛盾しています。認知科学によれば、情報の最大90%は1週間以内に忘れ去られることが示されています。従業員が研修内容を思い出せない場合、答えを探すことを余儀なくされます。この問題は、労働者の62%が業務中に情報検索に時間をかけすぎていると回答している事実によってさらに悪化しています。   WalkMeは、現代の職場における変化の加速化がもたらす課題に対応するため、企業学習の新たな基準を確立します。この新ソリューションは、ワークフローが複数アプリケーションにまたがる場合でも、従業員が日常使用するアプリケーションに直接トレーニングを組み込むことで、主要スキルを強化します。AIを最優先としたインテリジェントなオーサリングツールにより、チームは大規模なトレーニングコンテンツの作成・管理が可能になります。WalkMe Learning Arcは、従業員が変化に対応するために必要な包括的な学習インフラとコンテンツを提供する学習プログラムをより効果的に支援します。   WalkMe CEO兼共同創業者 Dan Adika 学習は、私たちの働き方に沿って柔軟に動き、適応し、シームレスに流れるべきです。だからこそ私たちは、学習コンテンツの作成と維持が容易な、AIネイティブの現代的なソリューションを構築しました。これが再考された学習です——継続的で、強力で、常に前進し続ける学習です。   未来の働き方に不可欠な、従来型学習を補完する存在 学習の大半は、業務開始前の段階で——コースやポータル、静的なモジュールを通じて——行われています。その結果は?従業員は学んだ内容を忘れたり、必要な場面で活用できなかったりするのです。   この「業務の流れに沿った学習」は、従来のモデルを補完する重要な手段となります。従業員の行動やニーズに応じて必要なタイミングで文脈に沿ったトレーニングを提供します。変化への抵抗を軽減するよう設計されており、適切なタイミングで適切な学習資料にアクセスする障壁を克服するのに役立ちます。   ベンダーの個人情報(PII)を含む発注書を送信しようとしている調達担当者は、コンプライアンスガイドラインを強化するジャストインタイムのトレーニングリンクを受け取り、承認された連絡先のみと共有されることを確実にします。HCMシステムで業績評価書を作成中のHRマネージャーには、効果的なフィードバック提供に関するマイクロラーニングやトレーニングが提供されます。理論上ではなく、まさに必要な瞬間に。   これらは静的な研修イベントではありません。必要な瞬間に現れるリアルタイムのスキル構築介入であり、学習定着とパフォーマンス向上を確実にします。   デジタル学習への新たなアプローチをご紹介 WalkMe Learning Arcは、AIファースト設計による新世代のデジタル学習技術です。インテリジェントな作成とアプリ内配信により、あらゆるワークフローをスキル習得と成果達成への近道へと変えます。   主な機能 包括的なトレーニング提供 – ユーザー行動を原動力に、従来のチャネルを超え、業務の流れの中にトレーニングプログラムの到達範囲と関連性を拡大します。 アプリ内検索と発見 アプリ内消費 カスタマイズ可能な学習ポータル インテリジェントなコンテンツ作成 – プロンプトと企業知識を強力なマルチモーダル体験に変換するAIファーストのオーサリングにより、大規模なコンテンツ制作と管理を実現します。 即時AIネイティブ作成 ...

by WalkMe Team, 9月 1, 2026

開催日:2026年5月19日(火) 形式:対面(東京ミッドタウン八重洲カンファレンスセンター)+懇親会 対象:WalkMeの分析機能を活用し、定着化や業務改善を加速させたいユーザー企業のご担当者様 プログラム: オープニング 事例登壇 (各社20分) 旭化成株式会社 「「入れて終わり」じゃない!WalkMe活用術~インサイト分析と改善サイクル~」 ウィーメックス株式会社 「WalkMe分析について:Engaged Elementを活用したエラー削減」 富士通株式会社 「UX改善におけるWalkMe Insights活用事例」 休憩 ワークショップ WalkMe分析ワークショップ(約85分)―課題選定・ワーク・グループ発表 クロージング JSUG WalkMe活用部会紹介・関連ウェビナー案内・アンケート・集合写真 懇親会 18:30〜(近隣会場にて)   開催の背景と目的 WalkMeを導入したものの、「ガイドを設置したきり効果が見えない」「分析機能があるのに、どこから始めればよいかわからない」。そんな声がユーザー企業から多く届いていました。 今回のユーザー会は、WalkMeインサイト(分析機能)に特化したテーマを掲げ、実際に分析サイクルを回している企業のリアルな実践事例を共有する場として開催されました。 当日はオープニングで参加者の現状をヒアリングしたところ、「分析は未着手」という方が約6〜7割、「イベントを仕込み始めた程度」が約2割という結果に。まさに今、多くのユーザーが「次のフェーズ」に踏み出そうとしているタイミングであることが改めて浮き彫りになりました。 前半は3社による事例発表とQ&A、後半は参加者全員がグループに分かれてディスカッションしアウトプットを出すワークショップ、そして懇親会まで、熱量あふれる一日となりました。   旭化成株式会社:現状を数値で「見える化」し、改善サイクルを回す 最初に登壇したのは旭化成株式会社の桐山氏。マテリアル・住宅・ヘルスケアの3領域で事業を展開する同社では、多様な事業を支える膨大なシステム群にWalkMeを適用しています。桐山氏は半導体エンジニア出身でIT部門に転じた後、クラウド基盤構築やLMS導入を経て2024年よりWalkMe活用推進を担当。現在はJSUG WalkMe活用部会のオピニオンリーダーとしても活動しています。   「入れて終わり」にしないための4ステップ 発表の冒頭、桐山氏はWalkMe活用を効果的に進めるための考え方として、「現状把握 → 課題の解決策構築 → 効果測定 → 分析」という4つのステップからなる改善サイクルを提示しました。 「この中で最も重要なのは、最初の現状把握です。これがないと、実装後に効果があったのかどうかが判断できません」 計測可能な指標を事前に設計してからWalkMeを実装することで、感覚ではなくデータで成否を語れるようになる。それが旭化成の流儀です。   事例:誤入力を定量化し、75%削減へ 紹介されたのは、とあるシステムで頻発していた誤入力を削減したプロジェクトです。管理者から「誤入力が多い」という声は上がっていたものの、システム側にはエラーの発生件数データが存在しませんでした。 「どれくらい発生しているかすら分からない状態でした」と桐山氏。そこでWalkMeのイベントトラッキングを活用し、「登録ボタンのクリック数」「エラー発生件数」「エラー種別ごとの件数」を1か月間計測することにしました。 その結果、登録ボタンが520回クリックされる中で、392回(なんと75%)がエラーで終わっていることが判明。「ほぼほぼ失敗している状態でした」(桐山氏)。定性的な課題感が、初めて定量データとして裏付けられた瞬間でした。   データを見続けて、初めて見えてくるもの このベースラインをもとに、入力中にリアルタイムで注意喚起するWalkMeガイドを実装。結果、件名・内容欄の誤入力は月288件から72件へ、75%削減を達成しました。 しかし桐山氏は、ここで満足しませんでした。 「リアルタイムで注意喚起しているのに、なぜ完全に撲滅できないのか?」 エラーを種別ごとに層別化して分析すると、内容欄の誤入力は94%削減とほぼ解決できている一方、件名欄の削減率は26%にとどまっていることが分かりました。さらに調査を続けると、「異なる入力欄のエラーが同一エラーコードとして集計されていた」という盲点が判明。インサイトで計測設計を見直したところ、「損金額」「負担割合」という項目での誤入力が集中していることが新たに浮かび上がってきました。現在、各項目向けの改善策を実装・効果計測中とのことです。   次のフェーズ:課題を「見つけに行く」アプローチへ これまでは「システム担当者に困りごとを聞いてから対応する」という受け身のスタイルでした。今後はインサイトのセッションデータを活用し、画面ごとの滞在時間をPower BIで可視化することで、担当者からの声を待たずに課題を能動的に発見するアプローチへと進化させています。 人事システムの分析では、「自己評価・振り返り入力」画面への滞在が突出していることが判明。全社員が使うこの画面への入力サポートを優先する方針を固めました。「顕在化している課題だけでなく、データが先に教えてくれる課題にも対処できるようにしたい」と桐山氏は語りました。 Q&Aより:エラーコードを種別ごとに細分化し、メッセージを変える対応についての質問が寄せられました。桐山氏は「誤入力削減と並行して開発コストを抑えたいというニュアンスもあり、新たなエラーコード設計にはまだ踏み込めていない」と正直に打ち明け、段階的な改善を続けていく意向を示しました。   ウィーメックス株式会社:Salesforceのエラーを3段階で解消し、月の対応工数を1,500分(25時間)削減へ 続いて登壇したのは、医療機関向けに電子カルテ等のヘルスケアITソリューションを提供するウィーメックス株式会社の大久保氏。同社は、1972年に日本初となる医事コンピュータを発売した三洋電機株式会社をルーツに持つPHC株式会社メディコム事業部と販売会社の統合によって誕生しました。 SalesforceとWalkMeをほぼ同時期に導入。少人数体制でビルダー業務と問い合わせ対応を兼務しながら、WalkMeの活用推進を一手に担っています。   「WalkMeを入れたはずなのに、効果が見えない」からの出発 同社が抱えていた最大の課題は、「SalesforceとWalkMeを同時に導入したため、WalkMeの効果がどこにあるのか分からない」という状況でした。加えて、エラーが発生してもSalesforce標準のエラーメッセージがわかりにくく、ユーザーが自己解決できずに問い合わせが集中していました。 そこで大久保氏が取り組んだのが、WalkMeのイベント(Engaged Element)を使ったエラーの可視化です。件数の多いエラーや問い合わせ頻度が高いものを優先的にイベントとして仕込み、CSVでエクスポートしたデータをTableauに取り込み、対応日や種別のタグを付与して独自ダッシュボードを構築。「どのエラーが、いつ、何件発生し、対応後にどれだけ減ったか」を継続して追跡できる仕組みを整えました。   3回の試行錯誤で実現した、商談管理エラーの大幅削減 特に問い合わせが集中していた商談管理画面の保存エラーに対しては、3段階のPDCAを繰り返しました。 1回目は、エラー発生時にWalkMeで分かりやすい赤文字メッセージを表示。しかし月57件あったエラーが約50件にとどまり、効果は限定的でした。2回目は保存前に未入力項目を赤い三角で事前に示す仕組みを追加。件数はやや減ったものの十分ではありません。そこで3回目の対応として、保存ボタンにスマートチップを設置し、すべての項目を入力するまで次に進めなくする仕組みを実装。これで月約24件まで削減することに成功しました。 「1回目の対応が効かなくても、データを見れば何が足りないかが分かる。だから次の手が打てる」と大久保氏は語ります。   削減できた工数が、次の改善への投資になる エラー対応の削減効果を問い合わせ対応時間に換算すると、対応前は1日204分、月4,080分相当だった工数が1日129分、月2,580分へと約37%削減されました。 「少人数でビルダー業務も兼務している中で、この削減分を分析やコンテンツ改善に充てられるようになりました。分析によって上司や経営層への報告も数値でできるようになり、WalkMe活用の社内認知度向上にもつながっています」(大久保氏) Q&Aより:イベント設計の具体的な方法について質問が出ました。大久保氏は「すべてのエラーにイベントを仕込むとデータが膨大になるため、件数が多いものや問い合わせで体感的に頻出するものを優先して選定している。Tableauの中でさらに絞り込んで分析している」と回答しました。 [商標注記] SalesforceおよびTableauは、Salesforce, Inc.の米国およびその他の国における登録商標または商標です。   富士通株式会社:インサイトで9分の時間短縮を実証し、さらに「次の課題」を見つける 3社目に登壇したのは富士通株式会社の西岡氏(WalkMe CoEチーム)。社内WalkMe利用者数は約10万人、適用システムは約20にのぼる大規模展開を進める同社では、従業員体験を起点に社内ITをより使いやすくしていく「Happy UX Project」を推進しています。プロジェクトでは、「共に創ろう社内ITにHappyの輪を」というスローガンを掲げ、社内IT改善の一環としてWalkMeを活用しています。 また、ユーザーの行動データをもとに課題を捉え、改善につなげるための仕組みとしても活用されています。 CoEチームがアカウント管理・ガイド作成支援・インサイト推進を担い、各システム担当者と連携しながら、継続的なUX改善を進めています。   「ユーザー視点」への転換がインサイト活用を加速させた FY24まで、富士通のWalkMe活用は「システムオーナー視点」でガイドを実装することが中心でした。FY25からは、利用者が実際にどこで迷い、どこに時間を要しているのかをデータで捉える 「ユーザー視点」へとシフトし、インサイトを活用し、UX改善の効果を定量的に検証しながら、次の改善につなげる方針へと転換しました。 そのきっかけとなったのが、ある業務フォームへのスマートウォークスルー実装です。ユーザーから「操作手順が分からない」という声を受けて導入したものの、「本当に使いやすくなったのか?」「業務時間の削減につながっているのか」を確認するには、感覚値だけでは不十分でした。そこでインサイトのフローアナリティクスを使い、「保存ボタンをクリックするまでの平均操作時間」を計測し、改善前後の変化を確認することにしました。   数字が出た瞬間、チームが変わった フローアナリティクスの各ステップ間の平均滞在時間を合計して比較した結果、スマートウォークスルーを利用しなかった場合の操作時間は15分、利用した場合は6分。9分の短縮を数値として実証できました。登録作業時間としては約60%の削減となり、こうした定量データをもとに年間約1,500時間の業務削減効果を試算しています。 「メンバー全員で喜びました。感覚値ではなく、数値として効果が見えてきたことが大きなポイントでした」と西岡氏。それまで「効果が出ているんじゃないか」という感覚にとどまっていたものが、データに基づいて語れるようになったことで、関係者への説明や次の改善検討もしやすくなったといいます。   「改善した」では終わらせない。インサイトで次の課題を見つける しかし西岡氏のチームは、ここで立ち止まりませんでした。スマートウォークスルーを起動するためのランチャーのクリック率を確認したところ、利用率はわずか10%であることが判明。操作時間の短縮効果は確認できた一方で、「便利な機能が、必要なユーザーに十分届いていない」という新たな課題が浮かび上がりました。 この発見をきっかけに、ランチャーのUI改善やプロモーション施策など、複数の次の打ち手を検討するフェーズへと進んでいます。 「インサイトは効果を確かめるためだけのツールではありません。ユーザーの行動データから課題を発見し、仮説を立て、次のアクションを考える起点になります。感覚ではなくデータを見ながら次の打ち手を考える。この繰り返しがUX改善を前へ進めます」(西岡氏) Q&Aより:各システム担当者のスキルについて質問が出ました。「全機能を理解しているかというとまだ道半ば。シンプルな修正は各担当者が行い、作り方で迷った場合はCoEへ相談する体制にしている」と西岡氏。CoEが伴走する仕組みが、大規模展開を支えていることが伝わりました。   WalkMe分析ワークショップ:「型」を体験し、自社に持ち帰る85分 休憩を挟んだ後半は、出席者全員が参加するグループワークショップへ。架空のECサイト「shopme.com」の運営責任者という設定のもと、インサイトを使った改善サイクルの「型」を実際に組み立てていただきました。   まず問い直す:インサイトの目的は何か? ワークショップの冒頭、参加者にこんな問いを投げかけました。「WalkMe インサイトの目的は何ですか?」 「利用状況の可視化」「業務プロセスの可視化」「現状把握」「気づきを得る」――さまざまな答えが出しました。どれも正しい。しかし重要なのは、その先にある「後半部分」です。 「インサイトで現状を把握するだけでなく、そこから改善を行い、UI/UXを更に向上させる。それがインサイトに込められた本来の目的です。今日のワークショップでは、その一連の流れを持ち帰っていただきたい」   課題を選び、改善のシナリオを描く 7グループに分かれた参加者は、ECサイトが抱える4つの課題(検索活用・購入完遂・会員登録・サポートコスト削減)から各テーブルでディスカッションを行い、テーブル毎に1つを選択。最も多くのグループに選ばれたのは「購入プロセスの完遂」でした。 ワークは2段階で構成されました。まず「課題・成果・解決策・検証(KPI)」の4ポイントを整理するワーク①(約20分)、続いて具体的な改善策・インサイトのイベント設計・KPIを落とし込むワーク②(約20分)。最後に各グループから成果物について、グループディスカッションの中で話し合われた各グループの「一押しの解決策」と「一押しのKPI」と共に、発表いただきました。   グループ発表で飛び出したアイデア 発表では、それぞれ異なる発想が飛び出しました。 「シャウトアウトで入力例を示して入力ミスを事前防止し、滞在時間短縮をKPIに設定する」というシンプルながら的確なアプローチ。 「電話・メール問い合わせをWalkMeメニューのFAQで代替しつつ、購入件数も同時にモニタリングして"ユーザーが減ったから問い合わせが減った"という誤読を防ぐ」という、KPI設計の精度にこだわったプラン。 購入フローを「カートへの導線」と「チェックアウト」の2段階に分解し、それぞれにランチャー配置と郵便番号自動入力補完を組み合わせる設計。 アクションボットを活用し、チェックアウト画面への遷移時に対話形式の入力サポートを強制起動するという仕組み。 どのグループも、課題の捉え方から解決策の粒度まで、しっかり自分たちの言葉で語っていました。BtoCのECサイトを題材にしながらも、自社のBtoBシステムに置き換えて考えている様子が随所に見られたのも印象的でした。「BtoCかBtoBかに関わらず、ユーザーのためにどんなUXを提供するかという問いは変わりません。今日の手法を、ぜひ自社の改善に活かしてください」と締めくくりました。   参加者に共通した悩みと、他社の工夫 セッション間のQ&Aや懇親会での対話を通じて、参加者に共通する課題と関心が浮き彫りになりました。 よく話題に上ったのは、「インサイトのイベントをどこから設計すればよいか分からない」「効果を上司・経営層に説明するためのKPIの選び方が難しい」「少人数体制で分析まで手が回らない」といった悩みです。SalesforceやWorkdayなど外部システムへの実装時のエラー計測設計についても、具体的な質問が相次ぎました。 一方で、他社の取り組みから得られたヒントも豊富でした。「体感的に多い問い合わせや頻出エラーから優先してイベントを仕込み、データが蓄積してから全体を俯瞰する」(ウィーメックス)、「定性的な課題感を数値で裏付けてから実装することで、効果検証まで一貫したストーリーが作れる」(旭化成)、「フローアナリティクスによる操作時間の短縮は、経営報告に使いやすい分かりやすい指標になる」(富士通)――それぞれの知恵が参加者の間で共有されました。   おわりに 「インサイトに込められた目的は、現状把握だけではない。改善を起点に、PDCAサイクルを回していくことにある」――今回のユーザー会を貫いていたのは、このメッセージです。 3社の発表はアプローチこそ異なりましたが、いずれも「データを見続けること」「数字が示す次の課題を無視しないこと」「分析を改善サイクルの起点として使うこと」という共通の姿勢が貫かれていました。ワークショップを終えた参加者からは「明日から自社のシステムでイベントを仕込んでみます」「インサイトのフローアナリティクスを試してみたい」といった前向きな声が多く聞かれ、懇親会まで熱い交流が続きました。 今後もWalkMeは、ユーザー同士が学び合い、実践知を積み重ねていけるコミュニティの場を大切にしていきます。皆様のWalkMe活用が「入れる」フェーズから「回す」フェーズへと進化していけるよう、引き続き伴走してまいります。 ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。                     関連情報 ウェビナー:改善の第一歩。効果測定のはじめ方。(2026年7月開催)アーカイブをご覧ください ...

by WalkMe Team, 8月 6, 2026

「エージェント型AI」は至る所に存在します。しかしその大半は真のエージェントではありません。 ベンダーはチャットボットや単一アプリ用ラッパーに安易にこのラベルを貼ります。真のエージェントはそれ以上の役割を果たします:複数ステップの作業を計画し、ツールを活用し、障害発生時に復旧し、代わりに仕事を完遂します。今日、これを適切に実現する数少ない製品は、明確に定義されたAPIを備えた狭く構造化されたタスクのみを処理します。 しかし実際の企業業務は整然としていません。Salesforce、SAP、ServiceNowなど数十のツールを跨ぎ、ポリシーや承認に依存し、例外も発生します。Salesforce内で完璧に機能するエージェントでも、調達ルールを強制できず、ERPを把握できず、人間を巻き込むタイミングも判断できません。 組織がAIエージェントやアシスタントの導入を急ぐ一方で、生産性は低下しています。Gartnerの調査では、デジタルフリクションがわずか2年間で従業員の生産性を約12ポイント低下させたと判明しました。当社調査でも、従業員はAIに期待しつつも日常業務への組み込み方に不安を抱えていることが明らかになりました。結果としてツールが増え、混乱が深まり、不満が高まるケースが頻発しています。 企業のAI導入意欲と従業員の準備態勢には隔たりがあります。エージェントだけでは解決できません——彼ら自身にも限界があります。複雑なマルチアプリ環境やポリシーが複雑に絡むワークフローでは機能不全に陥りがちです。ガバナンスとリスクが最も重要な場面で、エージェントの信頼性は揺らぎ、自律性は制約されます。 問題は、エージェントが有望かどうかではありません。問題は、エージェントが安全かつ一貫して、価値を創出しているという証拠を示しながら、大規模に運用できる仕組みにあります。 Gartnerの「2025年デジタルアダプションプラットフォーム市場ガイド」がその答えを示しています:デジタルアダプションプラットフォーム(DAP)は既にアプリ横断的なワークフローの調整、ポリシーの適用、成果測定を実現しています。単なるアシスタント埋め込みの場ではありません。エージェントを調整する制御基盤そのものなのです。 ガイダンスからオーケストレーションへの拡大 ガイダンスはデジタルアダプションの基盤でした。それは今も毎日重要であり、これからも常に重要です。変化しているのは、ガイダンスがもはや全体像ではないという点です。次の層はオーケストレーションです。つまり、人、プロセス、ポリシーを結びつけ、AIが適切な状況で、適切なタイミングで、適切な安全策をもって行動できるようにすることです。 最初は、人についてです。技術の変化は、人々の働き方が変わって初めて定着します。DAPは従業員が作業中に適切なエージェント、ガイダンス、ポリシーを提供し、意図的で測定可能な導入を実現します。これがなければ、エージェントは単なる未使用ツールに過ぎません。 次に、信頼性です。企業ワークフローは複数アプリとポリシーが複雑に絡み合います。エージェントは限定的なタスクに強みを持ち、オーケストレーションは単一のフロントドア、適切なコンテキスト、人的制御、結果の可視化を提供することで、大規模な信頼性を実現します。Gartnerは、多くのエージェントプロジェクトが価値とガバナンスの不透明さにより失敗すると指摘しています。DAPはこのギャップを埋めます。 最後に、実証です。証拠なくしては、AIプロジェクトは失敗します。DAPはポリシーを強制し、成果を追跡し、リーダーが必要とする説明責任を創出します。WalkMe搭載のSAP Jouleアクションバーがその実例です。SAPシステムと非SAPシステムを横断したプロアクティブなAIを単一エクスペリエンスで提供します。これは単なる知能ではなく、オーケストレーションです。 市場からのシグナルは明確 Gartnerの推定によると、DAP市場は2024年に10億4200万ドルに達し、前年比で約28%成長するとしています。この成長は、アプリ内ヒントではなく、システム横断的なオーケストレーションへの投資を反映しています。 2027年までに、組織の30%が他のアシスタントと連携するDAP提供のAIアシスタントを採用するとGartnerは予測します。2028年までに、40%がDAP内で生成AIを活用し、ワークフローを自動表示・最適化する見込みです。 この分野は最盛期を迎えています。DAPは、人的プロセスと自動化プロセスを統合し、ガバナンスを徹底し、AIの価値を大規模に可視化するために企業が必要とするオーケストレーション層となりつつあります。 エージェントにDAPレイヤーが必要な理由 コンテキスト:企業において、業務は単一のアプリ内からは見えない要素によって形作られます。ユーザーの役割、別システムにおける承認フロー、取引を規定するポリシーなどです。DAPはこうしたコンテキストを統合します。ユーザーが誰であるか、プロセス内のどの段階にいるか、次に何が起こるべきかを把握します。この全体像がなければ、担当者は不完全な情報に基づいて判断を下すことになります。間違った承認者に誤ったフォームを送付したり、3つ先のシステムでポリシー違反となるアクションを提案したりする可能性があります。 継続性:担当者は単一アプリ内で作業できるが、ワークフローがその境界内に留まることは稀です。従業員はSalesforceで作業を開始し、価格設定のためにSAPに切り替え、在庫確認のためにServiceNowを利用し、契約締結のために再びSalesforceに戻るかもしれません。現状では、相互に連携しない異なるアシスタント間の切り替えを意味します。業務を統合する負担が従業員に押し付けられ、本末転倒です。DAPはこれらのステップを接続し、コンテキストを継承し、引き継ぎを管理することで業務をエンドツーエンドで推進します。従業員はシステムを継ぎ接ぎするのではなく、判断が必要な業務に集中できます。 制御:AIが財務承認、顧客データ、コンプライアンス業務フローに関わる場合、知能だけでは不十分です。ガードレール、監査証跡、証明が必要です。エージェントが単独で行動したのはいつか?人間に委ねたのはいつか?適切なDAPはルールを強制し、意思決定を記録し、結果を可視化します。これが10人のユーザーから1万人にスケールさせる基盤となるのです。 AIだけでは解決できない企業の現実 導入は自動的には進まない:従業員は業務フローの中で継続的な支援が必要です。それがなければ、最高のAIツールでさえ活用されず、ROIは実現されません。 対応範囲は不完全:多くのエージェントはAPIが完璧な環境でのみ機能します。実際のワークフローはシステムやポリシー、例外をまたいでいます。 ツールの乱立:異なるチームが異なるアシスタントを試験運用すると、パッチワークのような体験を生み、管理を弱体化させ、生産性を損ないます。 DAPはこれら3点を解決します。統一されたエントリーポイントを提供し、システム間でアシスタントを連携させ、すべてを普及と成果に結びつけるのです。 リーダーが今すべきこと オーケストレーションを中核レイヤーとしましょう:DAPをアプリケーション間でアシスタントやエージェントを調整する制御プレーンとして扱います。単なる追加機能ではありません。試験運用でありません。基盤です。 活動ではなく成果を測定しましょう:クリック数やログイン数を追跡するだけでは不十分です。オーケストレーションをビジネス成果に結びつけます。プロセスは完了したか?コストは削減されたか?エラーは減少したか?これらの指標を活用して改善を図ります。 従業員に統一された窓口を提供しましょう:シンプルに:システムを問わず、支援を得る/行動を起こすための一貫した手段を、アシスタントは競合せず連携すべきです。SAPのJouleで構築した常時表示アクションバーパターンが具体例となります。 業務フローの中で変化を定着させましょう:トレーニングセッションではAI主導の変化の速度に追いつけません。従業員は作業中に即時的な支援と定着化を必要とします。 明確なガードレールで信頼を構築しましょう:エージェントが単独で行動できる場合、承認が必要な場合、例外処理の方法を決めます。そしてそれらのルールが可視化され遵守されるようにします。財務ワークフロー、人事データ、規制対象プロセスにおいてはこれが不可欠です。 今後の展望 デジタルワークの次の段階は、単一のAIアシスタントによって定義されるものではありません。組織が既存のツール、プロセス、人材をいかに効果的に連携させるかによって定義されます。 AIは「誰がクリックするか」を変え、DAPは「ワークフローの在り方」を変えます。両者が組み合わされば、複雑さを増すか、あるいは我々が追い求めてきた簡素化を遂に実現するかの分かれ目となります。 Gartnerは現在、DAPをAIのためのオーケストレーション層と位置付けています。あらゆる企業向けソフトウェアの波を顧客と共に経験してきた者として断言できます:オーケストレーションこそが、成功するAIプロジェクトと失敗するプロジェクトを分かつ鍵です。これを正しく実現すれば、他の全ては自然とついていきます。...

by WalkMe Team, 8月 1, 2026

ソフトスキルとは、コミュニケーションや協働、職場の課題解決を助ける対人能力です。 共感力、適応力、問題解決力といった特性を包含し、人間関係やチームワークを強化するスキルです。 ニューヨーク・ポスト紙は、雇用主が現在コミュニケーション力、チームワーク、適応力、問題解決力といったソフトスキルを高く評価していると強調しています。この文化的な変化は、ソフトスキルが不可欠になったことを示しています。 技術スキルは採用につながる一方、ソフトスキルは成長・リーダーシップ・成功を実現する能力を体現し、活躍を保証します。 本記事では需要の高いソフトスキル20選を解説します。各スキルの概要に加え、育成方法・重要性・個人と組織の発展への貢献について考察します。 最も需要の高いソフトスキルトップ20を見ていきましょう: 1.コミュニケーションスキル 明確なコミュニケーションは職場での成功の基盤です。単に話すことや書くことにとどまらず、メッセージが理解され、耳を傾けられ、様々な相手に合わせて調整されることを保証します。優れたコミュニケーション能力を持つ人は信頼を築き、誤解を防ぎ、協力を強化します。 このスキルを磨くには、自身の明瞭さについてフィードバックを求め、積極的な傾聴を実践し、様々な状況に適応する能力を磨くこと。リモートワークやクロスファンクショナルチームが一般的となった現代の職場では、効果的なコミュニケーションがアイデアの円滑な流れを保証し、個人と組織の両方のパフォーマンスを強化する。 2.チームワーク チームワークとは、共通の目標達成のために協働する技術です。相互尊重、チームダイナミクス、個人の責任と集団のニーズのバランスが求められます。優れたチームプレイヤーは自身の強みを発揮しつつ、他者をサポートします。 チームワークスキルを磨くには、積極的な傾聴の実践、建設的な衝突解決の習得、多様な視点の受容が不可欠です。強力なチームワークはイノベーションを促進し、問題解決を加速させ、集団の努力を通じて組織の成功を牽引します。 3.問題解決能力 問題解決能力とは、複雑な課題を分解し効果的な解決策を見出す能力です。プレッシャー下でも冷静さを保ち、情報を分析し、創造的に思考して障害を乗り越えることが求められます。このスキルは危機的状況だけでなく、従業員としてのキャリアを通じて活用し、向上させるべきものです。 職場は、自信と明確さを持って問題に取り組む人材によって活気づきます。意思決定を定期的に実践し、フィードバックを求め、失敗から学ぶことが、この貴重なスキルを磨く方法です。 4.時間管理 時間管理とは、時間をどのように配分するか意識的に選択することを意味します。単にタスクを1日に詰め込むだけでなく、各タスクが優先順位に沿っていることを確認します。複数のプロジェクトを同時に進める場合でも、自身のエネルギーレベルを管理する場合でも、時間管理のテクニックは意図的な行動を維持することにあります。 改善するには、まず本当に重要なタスクを特定し、邪魔になる要素を排除することから始めましょう。タイムブロックや優先順位付けフレームワークなどのシンプルなツールを活用してください。このスキルを習得すれば、生産性と心の平穏の両方が向上します。 5.リーダーシップ リーダーシップとは、共通の目標に向けて他者を導き、鼓舞する能力です。リーダーは模範を示し、指導を提供し、他者に力を与えるべきです。それは強制ではなく、信頼と尊敬を通じてチームを動機付ける能力です。 優れたリーダーは話すよりも多く耳を傾け、チームの強みを認識し、必要に応じてアプローチを適応させます。責任を引き受け、成功も失敗も自らのものとする姿勢が肝心です。リーダーシップは組織文化を形成し、正しく発揮されれば、人々が想像以上の成果を上げる原動力となります。 6.適応力 適応力とは、計画通りに物事が進まない状況でも柔軟に対応する能力です。新たな課題や予期せぬ変化に前向きな姿勢で順応することを意味します。ビジネス慣行が急速に進化する職場では、適応力は必須の資質です。 このスキルは、フィードバックを受け入れる姿勢、新たなことを学ぶ意欲、不確実性を受け入れることで養えます。適応力は状況変化の中でも効果的に行動し続け、チームにとってかけがえのない存在となる助けとなります。真に適応できるとは、変化にただ反応するだけでなく、その中で成長し繁栄することを意味します。 7.創造性 創造性とは、課題を機会へと変える火花です。それは他者が見落としがちな角度から問題を見つめ、独自の解決策を見出すことです。創造的な個人は定められた道筋をたどるのではなく、疑問を投げかけ、実験を重ね、未知を受け入れましょう。 創造性を高めるには、日常から一歩踏み出し、異なる分野に触れ、新しい趣味を探求し、多様な視点に触れることを試みてください。仕事に創造性を取り入れることで、問題を解決し、自分自身と組織の両方にとって革新と成長への扉を開くことができます。 8.共感力 共感力とは、他者の感情を理解し共有することです。より深いレベルで繋がり、相手の感情に思いやりを持って応えることです。このスキルは、対立の解決、人間関係の強化、ビジネスにおける信頼不足の解消に役立ちます。 共感的なリーダーシップを育むには、積極的な傾聴を実践し、相手の視点を引き出す質問をし、非言語的なサインに注意を払ってください。同僚の経験を理解することは、協働が育まれ、誰もが尊重され価値を感じられる支援的な環境を作り出します。 9.衝突解決 衝突解決とは、意見の相違や緊張が高まる前に、それらに対処する方法を見つけることです。職場環境では、問題の根本原因を認識し、関係者全員が共通の基盤を見出せるよう支援することを意味します。このスキルを磨くには、プレッシャー下でも冷静さを保ち、明確なコミュニケーションを取り、全ての関係者に利益をもたらす解決策を探すことが求められます。 効果的な衝突解決は、良好な雰囲気を維持し、チームの結束を保ち、小さな問題が生産性に影響するのを防ぎます。このスキルは、課題が効率的に、かつ不満なく処理される、より円滑で協力的な職場環境を保証します。 10.アクティブリスニング アクティブリスニングは、単に言葉を聞くことを超え、話し手のメッセージを言語的・非言語的に完全に理解することを含みます。このスキルを強化するには、話し手に集中し、明確化のための質問をし、中断を避けることに注力します。相手の視点を尊重していることを示すため、思慮深く応答することを忘れないでください。 効果的に実践された積極的傾聴は、信頼構築、誤解の軽減、協働関係の向上に寄与します。チーム環境では、全員が意見を尊重されていると感じられるため、問題解決能力の向上と人間関係の強化につながります。このスキルは、オープンなコミュニケーションと有意義な人間関係の構築に不可欠です。 11.批判的思考 批判的思考とは、状況を検証し、事実を分析し、十分な情報に基づいた意思決定を行うことです。このスキルを磨くには、前提を問い直し、異なる視点を考慮し、結論を出す前に証拠を評価しましょう。複雑な問題を明確に解決する助けとなるため、問題解決に不可欠なツールです。 迅速な意思決定が必要な場合、批判的思考は思慮深い対応を保証します。ミスを回避し、意思決定プロセスを改善し、革新的な解決策を推進する鍵となります。このスキルを育むことで個人の自信が高まり、チーム内での意思決定の質向上にも寄与します。 12.文化的適応力 文化的適応力とは、多様な背景を持つ人々を理解し、尊重し、効果的に交流する能力です。誰もが価値を感じられる包摂的な環境づくりに不可欠なスキルです。異なる文化との関わり、多様な視点の学習、自身の偏見への内省を通じて文化的適応力を構築できます。文化の違いを乗り越える能力は協働を促進し、誤解を最小限に抑えます。 多様な視点を積極的に取り入れることで、新たなアイデアが生まれ、チームのパフォーマンスが向上します。グローバル化した職場環境において、文化的適応力は効果的なコミュニケーションと相互尊重の基盤となります。 13.カスタマーサービス あらゆる企業がカスタマーサービスを重視していますが、一歩踏み込んだ対応こそが真の差別化要因となります。優れたカスタマーサービスとは、あらゆる接点において顧客のニーズに応え、問題を解決し、ポジティブな体験を創出することを意味します。忍耐力、共感力、迅速な問題解決能力が求められます。 強力なカスタマーサポートスキルを構築するには、積極的に耳を傾け、プレッシャー下でも冷静さを保ち、期待を超える努力をすることが重要です。卓越したサービスを提供する従業員は顧客ロイヤルティを築き、企業の評判を高めます。期待を超える行動は長期的な関係構築を保証し、「自分がその一員であると感じられる」という、従業員自身のエンゲージメントを示しています。自ら積極的に関与できる繁栄するビジネスに貢献します。 14.意思決定 意思決定は従来リーダーの領域でしたが、今や誰もが身につけるべきスキルです。優先順位の選択、問題解決、選択肢の比較検討など、強力な意思決定は結果に大きく影響します。状況を分析し、潜在的なリスクを予測し、最も効果的な行動を選択することが、意思決定の重要な特性です。 この分野のスキルを構築するには、データ収集、多様な視点の追求、自身の判断を信頼する練習を積むことが重要です。効果的な意思決定者は、情報に基づいた確信ある選択を行い、チームが明確な目的を持って前進できるよう支援することで成功を導きます。彼らの行動は組織全体の効率性と連携の向上につながります。 15.感情知能 感情知能は、単に感情に「敏感である」という段階を超えています。強い絆を築き、ストレスの多い状況を乗り切り、前向きな結果をもたらすための重要なツールです。感情知能の高い人は、場の空気を読み、感情のサインを察知し、思慮深く対応できます。 このスキルを磨くには、自己内省、フィードバックへの受容性、そして自身の感情と他者の感情を管理する方法を学ぶことが必要です。これを卓越して実践する者は、結束力の高いチームを創出し、士気を高め、協働を促進します。人々が価値を認められ理解されていると感じる、支援的で生産的な環境を構築する上で、これは重要な資産です。 16.柔軟性 何も長く変わらない世界において、柔軟性はゲームチェンジャーです。これは単に流れに身を任せる以上のもの——予期せぬ変化が生じた時に立ち上がり、前進する方法を見出すことです。柔軟性を習得した者は不確実性を受け入れ、課題を機会へと転換します。 真の柔軟性とは、複数のタスクを同時に処理し、優先順位を即座に調整し、計画変更時にも集中力を維持する能力にある。この組織的機敏性により、混乱の中でも個人のパフォーマンスとチーム目標を軌道に乗せ続けられるため、あらゆるチームにとって不可欠な存在となります。変化の激しい環境では、柔軟性が成功の鍵となることを忘れてはいけません。 17.目標設定 目標設定とは、努力の方向性と目的を与える明確な目標を定義することです。優先事項を特定し、実行可能なステップに分解するプロセスです。効果的な目標設定は、軌道に乗った状態を維持し進捗を測定する手助けとなるロードマップを提供します。 個人的であれ職業的であれ、目標はマイルストーンとして機能し、真に重要なことに集中し続けるための動機付けとなります。継続的に実践されることで、目標設定は達成を促進し、責任感を育み、個人のパフォーマンスとチームの成功に好影響を与えます。 18.対人スキル 対人スキルは、他者との良好な関係を構築・維持することを可能にします。効果的なコミュニケーション、協働、社会的ダイナミクスの理解などが含まれます。同僚やクライアントとの関わりにおいて、これらのスキルは人々とより深いレベルで繋がり、信頼と協力を育むことを可能にします。 対人スキルを育むには、自己認識、共感力、異なる視点への理解が求められます。職場では、調和のとれた環境づくりと協働促進に重要な役割を果たし、最終的にはチームの結束力強化と組織の成功に貢献します。 19.交渉 あらゆるビジネスは効果的な交渉によって繁栄しますが、優れた交渉者は単に取引を成立させることだけが目的ではないことを理解しています。それは全員が満足して去るウィンウィンの状況を作り出すことです。交渉とは、説得力、ニーズの理解、そして妥協すべき時を見極めることの微妙なバランスです。 このスキルを磨くには、感情の管理、ボディランゲージの読み取り、迅速な信頼関係の構築を学ぶ必要があります。優れた交渉者は、長期的な関係を育み、個人とチーム双方に利益をもたらす有利な結果を確保することで、ビジネスの成功を牽引します。成功裏に交渉する能力は、より大きな機会と強固なパートナーシップにつながります。 20.忍耐力 忍耐力は、困難を円滑に乗り切る上で不可欠な特性でありながら、見過ごされがちです。プレッシャー下でも冷静さを保ち、熟慮した決断を下し、困難な状況でも落ち着きを維持する能力です。忍耐力を養うには、マインドフルネスの実践と衝動の制御法を学ぶことが必要です。 職場では、このスキルがストレス管理、軽率な決断の防止、他者との信頼構築に役立ちます。忍耐力は長期的な思考を促し、個人や組織が全体像に集中し持続可能な成功を達成する助けとなります。忍耐力を発揮することで、より優れた問題解決と強固な協働への道が開かれるのです。 成功のためのソフトスキル習得 変化し続ける職場において、ソフトスキルは不可欠です。測定可能で技術的なハードスキルとは異なり、ソフトスキルは時間をかけて育まれ、継続的な磨きが必要です。 コミュニケーション能力、適応力、共感力は、強固な人間関係の構築、問題解決、チームの成功推進に不可欠です。これらは固定されたものではなく、経験と自己反省を通じて成長します。 これらのスキルを定期的に評価することは、継続的な成長に不可欠です。困難を感じているなら、メンターや上司と率直な対話を持つことが重要です。これにより成長領域を特定し、軌道修正が可能になります。 結局のところ、ソフトスキルへの投資は自身の成長にとって最善の選択です。なぜなら、困難を自信を持って乗り越えるための手段を与えてくれるからです。 これだけでは不十分なら、ソフトスキルは内なる強みを活用する力を与え、結果として現実の職場で重要な従業員スキルを効果的に開発・応用する能力を高めてくれるのです。...

by WalkMe Team, 7月 1, 2026

スキルアップ研修は、拡大するスキルギャップに対処する従業員研修の一種であり、人事部門が需要の高い新興分野での人材確保を支援します。 キャリア成長、リーダーシップ、ビジネスの俊敏性を支えるため、他の研修プログラムを補完します。McKinseyの最新調査では、自動化とAIが雇用市場を変革しており、企業がスキルアップ投資を必要としていることが示されています。 スキル要件が進化する中、スキルアップなしでは企業は後れを取るリスクを負います。従業員育成を優先する企業は競争優位性を獲得し、従業員が将来の課題に適応し対応できる状態を維持します。 スキルアップを学習文化に組み込むことで、企業は競争力を維持し、変化に適応し、従業員に未来の働き方に必要なスキルを身につけさせることができます。 本記事では、スキルアップの意味、効果的な研修方法、そしてそれが影響を与える主な状況について探求します。 スキルアップとは何か? スキルアップとは、知識や能力を高めるために新たなスキルを習得したり、追加の資格を取得したりすることを指します。これは、専門能力開発やキャリアアップの文脈でよく用いられます。 スキルアップには、新たな技術的スキルの習得、既存スキルの向上、あるいは現在または将来の職務に関連する分野の知識の獲得が含まれます。この研修方法は通常、既存のスタッフを対象としています。 全ての研修がスキルアップとは限りません。従業員は業務の一環として研修を受けますが、能力を拡張する際に初めてスキルアップが実現します。 従業員のオンボーディング、コンプライアンス研修、安全講習は、役割を遂行するための必須ツールを提供します。一方、スキルアップはコンプライアンスにおけるリーダーシップスキル開発など、能力を拡張する研修を指します。 リスキリングとスキルアップは同一の概念ではありません。リスキリングとは、全く新しいスキルセットを習得し、異なる職務や業界へ移行することを意味します。これは個人のキャリアパスにおけるより大きな転換を伴い、多くの場合、雇用市場や業界の変化によってもたらされます。 スキルアップ研修にはどのような種類があるか? 大規模な企業や組織においてスキル向上プログラムを実施する方法は数多く存在します。本セクションでは、スキル向上に最も重要な手法をいくつか紹介します: 資格・認定 eラーニング 体験学習 ネットワーキング 非公式学習と自己学習 これらあらゆる形態の学習介入は、従業員が現在においてより有能になり、将来に備えるのに役立ちます。 資格と認定 資格と認定は、個人の専門的・学術的キャリアを前進させる上で極めて重要です。これらは、卒業証書や修士課程修了といった学業上の成果から、特定のビジネススキル向上に特化した専門的認定まで多岐にわたります。 学習者にとって多くの利点があります。明確な証明書は専門性を証明し、同じ組織内や部門を跨いだキャリアアップの道を開きます。これらの資格の柔軟性により、個人は新たな役職や部署へ円滑に移行でき、キャリア開発全体に貢献します。資格取得のための伝統的な学習方法は依然として一般的ですが、多くの参加者は現在eラーニング技術を活用しています。 eラーニング フルタイムで働く従業員には、新しいスキルを学ぶ柔軟性が必要です。eラーニングのリソースにより、スタッフは日常業務の合間にスキルアップを図ることができます。 eラーニングは、個人のニーズと企業のビジネス目標に基づいたカスタマイズされた研修コンテンツを可能にします。従業員育成におけるスキルアップ、アクセシビリティ、エンゲージメント、効果性の向上を実現する強力なツールです。 体験学習 複雑な企業固有の業務に適した研修を見つけるのは困難です。最適な解決策の一つは、共同研修、ジョブローテーション、徒弟制度を通じて現場で従業員を育成することです。 効率的に見えないかもしれませんが、McKinseyが指摘したように「専門家の傍らで学ぶことは、最も古くからある能力構築手法」です。全従業員をトレーナーとして信頼するとき、驚くべき成果が生まれるのです。 ネットワーキング 従業員が何年も前に習得した知識に依存している場合、ネットワーキングは継続的なスキルアップのサイクルに彼らを巻き込む一つの方法となり得ます。同僚、メンター、専門家との交流を通じて、従業員は多様な視点への洞察を得て、新たなスキルを習得し、成長の機会を見出すことができます。 ネットワーキングイベント、カンファレンス、オンラインコミュニティは継続的な学習の場を提供し、従業員がスキルセットを拡大し、強固な専門的なサポートシステムを構築し、変化する専門職の環境に適応することを可能にします。 自己学習による非公式な学び 一部の職業では、職場の正式な枠組みとは独立して、自己学習によるスキルと知識の継続的開発が一般的です。 実際、追加費用なしで非公式な学習プロセスに取り組むことが従業員にとってますます便利になっています。ポッドキャスト、ソーシャルメディア、ニュースレター、専門書を読むことで、従業員は自身の分野における最新課題に関する有益な知見を得られます。この学習は正式な資格取得にはつながらないため、管理者はこの自主的な学習行動を発見し、評価する必要があります。 中核事業分野におけるスキルアップ戦略 スキルアップの必要性は、年ごとに、業界ごとに、企業ごとに変化します。 しかし、新技術、人口動態の変化、歴史的要因はすべて共通のスキルギャップを生み出します。本セクションでは、スキル向上が以下の分野の改善をどのように支えるかを説明します: テクノロジーとソフトウェアの導入 生成AI 衝突解決 持続可能性 技術導入は長年恒常的な課題でしたが、Gartnerの最新「未来の働き方」レポートでは、他の3つが主要トレンドとして特定されています。 テクノロジーとソフトウェアの導入 ソフトウェア導入とは、スタッフが新技術を効果的に活用するプロセスです。IT人材不足が深刻化する中、企業は内部スタッフが新たなデジタルツールを理解し、各部門の特殊な目的に適応させる支援をしなければなりません。   ソフトウェアベンダーは常に、自社製品が業務運営にもたらす潜在的な生産性向上効果(ROI)を誇示します。しかし導入段階を促進・支援するスタッフが不足していれば、そのソフトウェアは高額な失敗に終わる可能性があります。 技術導入におけるスキル向上は、個人が業務の効率化、意思決定プロセスの改善、組織全体のイノベーション能力向上に貢献することを意味します。これにより、デジタル化が進む環境下での回復力と適応力が強化されます。 テクノロジーとソフトウェアの導入方法 この分野でのスキル向上を導入する際には、以下のステップを検討してください: この分野でのスキル向上は、新ソフトウェアのリーダーや推進役を育成する際に特に有効です。スキルを向上させた技術リーダーは、セミナー、デジタルアダプションプラットフォーム、ガイド付きヘルプを通じて、組織全体の必須トレーニング計画の方向性を定めるのに役立ちます。 トレーニングの実践的応用を強調してください。スキルアップした従業員は、ワークフローの改善、問題解決、ソフトウェアの効果的な運用にどのように貢献できるでしょうか? 手法としては、非公式な学習が最大の強みとなる可能性があります。新技術に熱意を持つスタッフがいる場合は、そのスキルアップの進捗を正式に評価することで報いるようにしてください。 テクノロジーとソフトウェア導入の活用ポイント ​​実世界のメリットを示す:新技術が効率性、生産性、キャリア成長をどう向上させるかを実証し、関与を促します。 実践的なトレーニングを提供する:従業員が実際のシナリオでソフトウェアの使用を練習できるインタラクティブなセッションを提供し、学習を定着させます。 継続的なサポートを確保する:チュートリアル、メンター制度、トラブルシューティングリソースへのアクセスを提供し、従業員が自信と熟練度を維持できるよう支援します。 対象となるのは? 組織全体のデジタルトランスフォーメーションに向け、スタッフは新しいソフトウェアと手法のトレーニングを必要とします。スキルアップは標準化される可能性がありますが、特に管理職、研修担当者、新たな技術職に就く者にとって有用です。 生成AI 2023年の過剰な恐怖煽動の後も、生成AIは消え去ってはいません。多くの人が依然として職を失うことを恐れている一方で、賢明な専門家たちは生成AIが個人の能力を高められると認識しています。 AIの新たな重要性は、人事・採用・研修にいくつかの重大な課題をもたらしています: 実績のあるAI人材の採用は困難です。認定資格のエコシステムは存在せず、LinkedInの経歴に「プロンプトエンジニアリング」と記載されている人物には疑念を抱くようになりました。 生成AIの業界特化型能力は未だ発展途上であり、最適な活用事例に関する合意は形成されていません。 許可されていないシャドーAIアプリケーションを扱うことは、企業にとってリスクを伴う可能性があります。 こうした理由から、既存スタッフのスキルアップは、AI能力を拡大し、AI変革管理の課題に対処する信頼できる方法です。 生成AIのためのスキルアップを実現する方法 未来の働き方にAIの可能性を取り入れるには、以下のステップを検討してください: 既に変化をもたらし得るスタッフに注力しましょう。プロダクトマネージャー、ソフトウェア開発者、データアナリストは、それぞれの専門分野における生成AIの可能性を既に認識しているかもしれません。 ...

by WalkMe Team, 6月 1, 2026

デジタル・リスキリングとは、進化するビジネスニーズに対応するため、AIやサイバーセキュリティ、その他のデジタル技術における専門知識の習得に焦点を当てた従業員研修の一種です。 世界中の企業が有能な人材の不足に直面する中、リスキリング は多くの人事部門にとって現実的な解決策となりつつあります。世界経済フォーラムはこの変化を「リスキル革命」と呼び、将来の需要には全く新しい能力が求められることを認識しています。 人材不足の原因は様々だが、一つ明らかな事実があります——従業員にはさらなる研修が必要だということです。 本稿では企業環境におけるデジタル・リスキリングについて、その定義、アップスキリングとの違い、最も効果的な研修手法、そしてIT・デジタルトランスフォーメーションにおいて重要な役割を担う理由を探ります。 デジタル・リスキリングとは何か? デジタル・リスキリング とは、AIやサイバーセキュリティ、その他のデジタルイノベーション分野におけるスキル開発を通じて、従業員が新たな役割へ移行するのを支援する専門的なリスキリング の形態です。 これにより、従業員は新たな専門知識を獲得し、時代遅れのスキルを更新し、あるいはキャリアパスを変更することで、変化する雇用市場において適応し続けることが可能となります。企業にとって、リスキリングは労働力を将来の需要に備えさせ、解雇を減らし、従業員体験を向上させ、生産性を高めます。 既存の人材を育成することで、企業は採用コストや従業員のオンボーディングコストさえ削減できます。各企業は自社の目標と労働力に基づき、どのスキルを優先すべきかを決定する必要があり、リスキリング は戦略的でカスタマイズされたアプローチとなります。 デジタル・リスキリングとデジタル・アップスキルの違い デジタル・リスキリングとデジタル・アップスキルは、どちらも従業員が技術変化に適応するのを支援しますが、目的が異なります。   デジタル・リスキリングは、AIやサイバーセキュリティなどの新興技術に関する専門知識を従業員に身につけさせることで、新たな役割への移行を促します。特定の職種が消滅した場合や、変化する需要に対応するために人材を異なる分野へ移動させる必要がある場合に使用されます。 デジタル・アップスキリングは既存のスキルを基盤とし、従業員がデジタルツールや技術の最新動向に対応できるよう支援します。新たな役割への準備ではなく、現在の職務における能力強化を目的とします。  デジタルトランスフォーメーションに歩調を合わせられる労働力を構築するには、両者とも不可欠です。 デジタル・リスキリングに最適なトレーニング方法とは? リスキリングでは、企業内で見られるあらゆる従業員向け学習手法を活用できます。 本セクションでは、様々なデジタル・リスキリング手法の一部を紹介します。以下を検証します: 見習い制度 社内デジタルアカデミー シミュレーション訓練 リスキリングは、最先端技術においても伝統的手法と現代的手法を融合させます。専門家育成には従来のアプローチが依然有効ですが、大規模なリスキリングには全く新しい戦略が求められることが多々あります。 見習い制度 企業は現在、伝統的な見習い制度を現代組織のニーズに合わせて適応させ、全員に学びと教える責任を与えています。 見習い制度は実践的な経験を提供し、従業員が現場の専門家と共に実務スキルを磨くことで、組織内の成長と革新を促進します。 実践的な訓練を通じて、見習いはソフトウェア開発、データ分析、サイバーセキュリティ、デジタルマーケティングの習熟度を高め、その過程で業界認定の資格や資格証明書を取得します。 社内デジタルアカデミー 社内デジタルアカデミーは、リスキリング 再スキル化のための革新的な全社的戦略である。汎用的なオンライン学習プラットフォームとは異なり、デジタルアカデミーは各企業の独自の文化やストーリーに合わせて設計されます。 企業全体で体験型かつ組織固有のプログラムを提供する。これらのプログラムは、技術職のキャリアパスに向けた従業員の育成、知識労働者への特定技術の習得支援、そして技術が各事業領域に与える影響に関する管理職・経営陣の意識向上を図ります。 DuPont、Gestamp、Deloitteなどの企業がこのモデルを効果的に導入しています。社内アカデミーはリスキリング、アップスキル、その他の対象を絞った介入策も支援可能です。 シミュレーション研修 シミュレーション研修は、既に社内に在籍する従業員のリスキリング 再スキル化に最適な方法です。 何と言っても、リスキリング 再スキル化の対象となるのは自社の業務を深く理解している人材です。彼らは現在の役割と将来の任務を把握しており、参加者は将来の職務における具体的な側面を体感できます。これにより、教室環境に閉じ込められることなく実践的な訓練が可能となります。 この実践的なアプローチは理論的知識と実際の応用を結びつけ、現実のシナリオでスキルアップを図る人材にとって貴重な組み合わせを提供します。 デジタル・リスキリングの導入方法 雇用主は幅広いスキルを求めており、世界経済フォーラム(WEF)の「リスキリング革命」分類では、現代の企業が重視する多くのスキルが強調されています。 いずれも重要ではあるが、ITはあらゆる分野におけるリスキリングの核心領域として際立っています。過去20年間でデジタル技術は急速に進化し、従来の教育・訓練プログラムは技術人材に対するビジネスの需要に応えきれなくなっています。 本セクションでは、IT人材不足の実態を探り、ITリスキリングの基本を概説し、実践的な導入提案を行います。 IT・テクノロジー分野におけるスキルギャップ 世界経済フォーラムの「2025年未来の雇用報告書」によると、人材不足は世界的に、また地域的にも継続し、組織変革における最大の課題となる見込みです。 この課題に対処するため、企業は従業員の再教育・スキル向上への投資拡大や、多様な人材を惹きつけるためのダイバーシティ施策の拡充を計画しています。 Forbesの報告書によると、人材不足が最も深刻な上位10分野は以下の通りです:   人工知能(AI)と機械学習   ITサポートとトラブルシューティング   サイバーセキュリティ   データ分析とデータサイエンス   プログラミング   クラウドコンピューティング   モバイルアプリ開発   プロジェクトマネジメント   ネットワーク管理   ...

by WalkMe Team, 5月 1, 2026

パートナーシップをエンジンにWalkMeの成長を加速 2025年12月15日、WalkMeは日本で初めてとなる「WalkMe Partner Summit 2025」を開催。パートナー35社、およそ150名が参加し、提案活動における各社の考え方や先進的な取り組みの紹介などを通じて、WalkMeをめぐるさまざまな動きを共有。途中にパートナー有志による大喜利企画やネットワーキングなどの時間を挟みつつ、DAPという共通の話題を通じて2025年の活動を振り返る時間は、2026年へのモチベーションを高める機会にもなり、会場は終始熱気にあふれていました。                     DAP3.0時代に新たな役割を担うWalkMeに期待 オープニングに登壇したアライアンス本部 本部長 櫻井澄子は、アプリケーション内のベーシックなガイダンスからスタートしたWalkMeの歩みに言及。新しい機能を次々に投入しながら進化を続け、DAP市場を牽引してきたWalkMeの昨今の進化について、「2024年には、業務の流れの中でユーザーの文脈に沿ったユーザーアシスタンスの提供を開始。そして現在は、我々がDAP3.0と称するように、新しいフェーズへと突入しつつあります」と説明。 ガートナー社のDAPマーケットガイドによると、これからのDAPは、ERPやCRM、HCMといった複数のアプリケーションを横断する複雑な業務プロセスの上で、複数のエージェント型のAIを使いこなすためのオーケストレーションの役割を担っていくとして、「これはまさにWalkMeが目指す方向性です」と櫻井。「こうした役割を果たすことで、AI時代の企業のDXを支援していく考えです。そのためにもますますパートナーとの協業を深め、共にマーケットを拡大していきたいと思います」と述べました。 ここでWalkMeのCFOであるスコット・リトルからも、ビデオレターが紹介されました。WalkMeの成長戦略において、パートナーシップはきわめて重要なエンジンであると強調するスコット・リトルは、画面を通じて次のようなメッセージを届けました。 「グローバル規模で成功を拡大させていく上で、パートナービジネスこそが最も重要であり、かつ最大の成果を生み出すモデルであると確信しています。中でも日本のパートナーシップは際立った存在感を放っています。日本には、高い能力と革新性、そして影響力を持ったパートナー様による独自の強力なエコシステムが構築されています。わたしたちは、日本こそがWalkMeにとって世界で最も戦略的かつ重要な市場の一つであると認識しています。 本日のサミットでは、お互いの交流を深めていただくと同時に、私たちが共に築いていく未来に対して、これまで以上に大きな期待と可能性を感じてお帰りいただければ幸いです。今日という日を経て、皆様がさらにWalkMeのファンになってくださることを願ってやみません」 失敗も強みに!提案は共感から入るのが最短ルートか?! こうして幕を開けた「WalkMe Partner Summit 2025」は、パートナー3社をスピーカーに迎えてのパネルディスカッションからスタート。WalkMeの櫻井がモデレーターを務め、日立製作所の栗林氏、富士通の林田氏、アビームコンサルティングの高橋氏の3名から、WalkMeの提案活動を通じて感じていることについてお話を伺いました。 株式会社日立製作所 インダストリアルAIビジネスユニット エンタープライズソリューション事業部 ERPグローバルサービス部 部長 栗林...

by WalkMe Team, 4月 22, 2026