【中編】DAP Summit 2025 脱・DX迷宮 ~DAPは、DX成功のラストピース

WalkMe Team
By WalkMe Team
Updated August 25, 2025

注目度の高さを物語る、昨年に引き続きの満員御礼

WalkMe株式会社は、2025年7月16日、TODAホール&カンファレンス東京(東京都中央区)にて、「DAP Summit 2025」を開催しました。2回目となる本イベント、参加登録者は1100名を超え、初開催だった昨年に引き続き満員御礼。本年度は、テーマを「脱・DX迷宮 ~DAPは、DX成功のラストピース」と銘打ち、WalkMe、SAP、ユーザー企業、パートナー企業、特別ゲストによる計12本のセッションが実施され、多種多様な視点からDX戦略を取り巻く環境とその最新事例について紹介されました。

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【Accenture】WalkMeファースト”で、継続的アクティベーションを実現

Brian Payne 氏
Accenture
Managing Director, Talent & Organization – Global Lead Differentiate in Technology

「アクセンチュアにおいて、WalkMeは重要な顧客であると同時に、パートナーでもあります」。Managing Director, Talent & Organization – Global Lead Differentiate in Technologyを務めるブライアン・ペイン氏は、両社の関係性についてそう紹介します。WalkMeは単なるプラットフォームではなく、もはやアクセンチュアのビジネス全体を支える存在。「だからこそ、『WalkMeファースト』という、我が社独自の考え方に至ったのです」

ペイン氏は、システムのゴーライブはゴールではなく、あくまでスタートであると強調します。そして、「WalkMeファースト5つの原則」として、次の項目を挙げました。①全機能を活用するため、WalkMeで何ができるかを問いかける、②初日からガイドする、③リアルタイムで行動を把握(データ収集)、④データを活用して、積極的に介入する、⑤製品としてアクティベーション(活性化)を実行する。「特に⑤は最も重要なポイントです。リアルタイムのインサイトを活用して次のアクションにつなげ、継続的なアクティベーションでいかにパフォーマンスを上げるか。このスタンスこそが、あらゆるビジネスにおいて大きな可能性を生み出すと考えています」

またペイン氏は、驚異的なスピードで進化している生成AIについても言及。「今後ますます多くのエンタープライズシステムが登場することを鑑みると、人とAIとのインタラクションが一層重要になってきます。そうした時代において、WalkMeは新しい働き方を生み出す存在です」と話します。さらに、WalkMeがSAPグループの一員になったことにより、さらなるUX向上が期待され、変革によるバリューの実現性を高めたと評価。「どんなに保守的に評価しても、WalkMeファーストのアプローチが非常に大きな価値を提供することは間違いないでしょう」と、力強く宣言しました。

【株式会社SHIFT】DAPでトレーニング期間の大幅短縮に成功

真岡 佑介 氏
株式会社SHIFT
執行役員 兼 ソリューション本部/本部長


株式会社SHIFTは、ソフトウェアの品質保証を起点にビジネスを展開する会社。「IT市場の約3分の1をテストが占めているにもかかわらず、これまで専門に取り組んできた企業はありませんでした」と、執行役員 兼 ソリューション本部/本部長 真岡佑介氏は話します。「そんな中、SHIFTはこのブルーオーシャン市場で圧勝。10期以上にわたり、売上高約1.5倍の成長を続けています」。

これまでのソフトウェアテストは、開発者自身がおこなうことがほとんどでした。しかし、これでは第三者性がありません。そこでSHIFTは、非IT人材の中にテスト適性の高い人々がいることに目をつけ、独自の検定で選抜。さらにトレーニングを実施することで、高品質のテストサービスを提供することを可能にしたのです。

そんなSHIFTが、DAPに注目した理由。それは、新ソフトウェア導入プロセスの中で、データ移行、ユーザートレーニングが、企業の大きな負担になっているという背景でした。「よくあるのが、開発が遅れたにもかかわらず、稼働開始日は伸ばせないというケース。すると、しわ寄せがくるのが、テストとトレーニングの領域です。テストは我々の専門領域なのでプロセスの工夫で期間を短縮。トレーニングについてどうしようかと考えた時に、DAPだ、となったわけです」

集合研修ではなく配信により、いつでも、何度でもトレーニング可能な環境を整備。また、各現場に合わせたデータモデルを作成し、習熟度の迅速な向上に貢献しました。「リテラシーが高いとはいえないユーザーでも直感的に使用することができ、かつ、複雑な業務パターンに対応可能。これが、DAP採用の決め手でした」。今後目指すのは、蓄積されたデータを活用しての、DX投資効率化。「WalkMe社とも協力し、顧客企業の経営課題を解決することで、日本企業の競争力強化に貢献していきたい」と、メッセージを述べました。

【株式会社エクレクト】DAP導入は、「小さく始めて、アジャイルで回す」

辻本 真大 氏
株式会社エクレクト
代表取締役


「前職では、SaaSを開発していました。その際に感じていた課題が、『いくらソフトウェアが良くても、それを使いこなせなくては意味がない』というものでした」。自身の経歴紹介も兼ねて、株式会社エクレクト 代表取締役 辻本真大氏はそう話します。その経験から2017年に立ち上げたのが、エクレクト。CX、EXを含む広義のDX支援を手がける会社です。「WalkMeも、他のソフトウェアをいかに使いやすくするかという領域なので、我が社の思想と非常に親和性が高い。1年半ほど前から、オフィシャルパートナーとして協業させていただいています」

日本は世界的に見てもデジタル競争力が低く、先進国の中では最下位。DXを試みても局所的な対応になったり、導入したソフトがまったく使われなかったり。正に“迷宮入り”している事例が多くあると、辻本氏は指摘します。「この状態を打破するためには、まずはインパクトの期待できるテーマを見定め、小さく取り組み始めるのが得策です。そこで力を発揮するのが、WalkMe。顧客や従業員に、テクノロジーは本当に自分たちの役に立つものなのだと体感してもらい、徐々に企業文化を変革していくことが重要です」

さらに辻本氏は、DAP導入の際の勘所を紹介。①元のソフトでやるべきこと、DAPに任せることを切り分ける、②DAPに蓄積されたデータを分析し、ユーザーの行動を理解する、③マニュアルの概念を刷新し、WalkMeのガイダンスを併用する、の3点を挙げました。さらに、デジタルアダプションをきちんと定着させるためには、アジャイルで改善を高速に回していくことが欠かせないと強調。エクレクトには、そのノウハウがあると話します。「DAP有資格者が20名以上在籍しており、これまでのプロジェクト運営で培ってきたナレッジもあります。導入をご検討されている企業の方は、ぜひご相談ください」

【株式会社日立ハイテク】変革の痛みの緩和と定着化に欠かせないWalkMe

竹林 亜紀恵 氏
株式会社日立ハイテク
デジタル推進統括本部 クロスドメインDX本部/本部長
有賀 泉 氏
株式会社日立ハイテク
デジタル推進統括本部 クロスドメインDX本部/主任


株式会社日立ハイテク デジタル推進統括本部 クロスドメインDX本部/本部長 竹林亜紀恵氏は、同社が取り組んできたDXプロジェクトの紹介からセッションをスタートしました。「我が社では、DXプロジェクトを、『次の10年の成長戦略を実現する新しい業務プロセスを創造する、業務革新プロジェクト』と位置づけました」。2018年からスタートした本プロジェクト。これを推進するための重要なポイントが、プロジェクトオーナーに社長を据えたこと。単なるシステム導入ではなく、抜本的な業務改革を目指しているがゆえの体制だったと話します。

「最新テクノロジーを導入することで、部門ごとに分断された情報をグループ全体で共有。プロセスをデジタル化していくことを目指しました」。日立ハイテクのDX戦略のポイントは3つ。①グローバルスタンダードシステムの採用、②Fit to Standard、③クラウドファースト。この3点を掲げる1番の理由は、「イノベーションのスピード」であると、竹林氏は強調します。

また、IT部門が推進するテクノロジードリブン分野で、今年度から注目しているのは、①変革の痛みの緩和と定着化、②新機能の積極的な展開、③データドリブンの活性化の3点。「ここで登場するのが、WalkMeです。私たちがつくりあげてきたクリーンコアを維持しつつ、課題を解決。データドリブンをより推進していくために、WalkMeの全体展開に着手しました」。導入事例の紹介については、同部主任 有賀泉氏にバトンタッチ。具体的なデモを用いながら、入力の効率化、自動化、誤操作の防止、さらに新ルールの周知といった観点で、いかにDAPが活用されているかが紹介されました。

有賀氏から再びマイクを引き継いだ竹林氏。「今後は、SAP生成AI『Joule』の強みと、WalkMeの強みを生かした世界観にも期待」と述べ、セッションを終えました。

当日の講演動画はこちら(一部セッションを除く)

【前編】DAP Summit 2025 脱・DX迷宮 ~DAPは、DX成功のラストピースを読む
【後編】DAP Summit 2025 脱・DX迷宮 ~DAPは、DX成功のラストピースを読む
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